第98回選抜高校野球大会第7日の第2試合。花咲徳栄(埼玉)が日本文理(新潟)を17-0で下し、初出場した2003年以来、23年ぶりとなる春の8強進出を決めた。大量援護を背にマウンドを守ったエース右腕の黒川凌大投手(3年)は、降りしきる雨でぬかるむグラウンド状況をものともせず、7回を1安打無失点に抑える好投を見せた。自己最速を更新する147キロをマークするなど、プロ注目右腕としての実力を見せた。
雨中の熱投、自己最速更新の147キロで日本文理を圧倒
黒川凌大投手は、雨が振る最悪のコンディションだったが、初回から140キロ台の直球をゾーンに集め、五回2死まで無安打無得点。球場表示で自己最速を1キロ更新する147キロを計測し、力強いワインドアップから投じるボールで相手打線を封じ込めた。7回を投げて二塁も踏ませない完璧な内容は、東洋大姫路との1回戦で見せた132球完投に続くエースの投球で、「雨だったが、絶対に抑えてやるという気持ちだった。直球も変化球も構えたところに決まっていた(サンケイスポーツ)。」と話した。
岩井隆監督(56)は、「少々の雨でも練習はやりますので、姿勢を低くすることはだいぶ言っていた」と話し、雨天の練習も行ってきた成果が現れたと語る。日本文理が5失策と崩れるなか、花咲徳栄は無失策でエースを盛り立てた。黒川投手も「野手がいつも通りの打撃をしてくれて、自分の投球ができた。この前の試合より直球が走っていた(スポーツニッポン)」と手応えを口にした。緩急を自在に操る頭脳的なマウンドさばきで、17点という記録的な大勝を呼び込んだ。
柔道アジア女王の母・琴美さんからの激励「全部出し切れ」
1985年の柔道アジア選手権金メダリストである母・琴美さんからは、初戦の前には「恥をかいてこい」というアドバイスだったが、初戦の完投勝利後は「次の試合はもう全部出し切れ」とアドバイスがあったという。母譲りの勝負根性を備える黒川投手は、132球を投げた中3日のマウンドでも疲れを感じさせなかった。
花咲徳栄にとって、今回のベスト8は清水達也投手(現中日)を擁して初優勝した2017年夏以来、9年ぶりとなる。1試合17得点は埼玉県勢の選抜最多得点タイ記録。投打が完全に噛み合った状態で、次戦は大会屈指の左腕、杉本真滉投手を擁する智弁学園(奈良)と対戦する。
「次も絶対勝つという気持ちで。次は今日以上の投球ができたら(サンケイスポーツ)」と黒川投手は気を引き締める。東西の屈指の好投手同士が激突する準々決勝は非常に注目される。
【黒川 凌大】 プロフィール
- 氏名: 黒川凌大(くろかわ・りょうた)
- 所属: 花咲徳栄高校(3年)
- 出身: 埼玉県
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 182cm、86kg
- 主な特徴や実績: 自己最速147キロを誇る本格派右腕。母は柔道アジア女王の黒川琴美氏。ワインドアップからの重い直球とスライダー、カットボールを操る。選抜1回戦で東洋大姫路を完投、2回戦では日本文理を7回1安打零封。2026年ドラフト候補。












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