第98回選抜高校野球大会準決勝。史上最多10度目の日本一を目指す大阪桐蔭(大阪)が、専大松戸(千葉)との激闘を3-2で制し、前回優勝した2022年以来、4年ぶり5度目となる決勝進出を決めた。背番号1を背負うエースの吉岡貫介投手(3年)は、2回戦の三重戦での乱調から中2日、名誉挽回を誓って上がった先発マウンドで7回1失点の粘投。後を継いだ2年生左腕、川本晴大投手(2年)との左右二枚看板リレーでリードを守り抜いた。
三重戦の「屈辱」を糧に、吉岡貫介投手が施した「左足」の修正
「不安はあったけど、厳しい練習を乗り越えてきた自負があった(スポーツニッポン)。」吉岡貫介投手は、2回戦の三重戦では5回途中7四球4失点。打線の援護で辛くも勝利を掴んだが、エースとしての役割を果たせなかった自分を責め続けた。西谷浩一監督(56)からは「前回は本来の吉岡ではなかったけど、エースですから」と変わらぬ信頼を寄せられ、準決勝という大一番での先発を託された。「前の試合で情けない結果になってチームが勝たせてくれたので『自分が』という気持ちになりました(日刊スポーツ)。」
乱調の原因は手投げになっていたこと、そして「上半身が開いた(日刊スポーツ)」ことで安定感を失った点にあった。この3日間、吉岡投手は投球時に「前に踏み出す左足が着地してから投げること」を徹底して意識。フォームのばらつきを修正し、持ち前の制球力を取り戻した。初回から4イニング連続で得点圏に走者を背負う苦しい展開ながら、要所を締める粘り強さを発揮。4回、同点とされなお2死二塁の危機では、低めのスライダーで空振りを奪い、勝ち越しを許さない。7回を投げて被安打5、与四死球3、失点1。「大阪桐蔭のエースとしての重圧を力に変えました」と話した。
「投手陣を支えるのがエース」――前主将・中野大虎から受け継いだ精神
吉岡投手の投球には一学年上の先輩で前チームの主将だった中野大虎投手(現ENEOS)から受け継いだものがある。「エースは抑えるだけが仕事ではない。投げられない時もエースとしてできることはある。投手陣を支えるのがエース」という言葉を叩き込まれてきた。今大会、後輩の川本晴大投手が完封勝利を挙げるなど脚光を浴びるなか、吉岡投手は「川本の頼もしさと同時に、個人的には少し悔しかった」と正直な思いを明かしつつも、ブルペンでは「自信を持って投げろ」と背中を押し続けた。
中野投手や森陽樹投手(現オリックス)といった全国トップレベルの投手が集う環境で自らを磨いた。しかし、その先輩が甲子園に出場できなかった姿を見て、この甲子園に強い思いを持って臨んできた。
決勝の相手は、中京大中京との強豪対決を制した智弁学園(奈良)だ。プロ注目の左腕エース・杉本真滉投手との対決になると見られるが、吉岡投手は「近畿の高校に負けるわけにはいかない(スポーツニッポン)」と闘志を露わにした。
【吉岡 貫介】 プロフィール
- 氏名: 吉岡貫介(よしおか・かんすけ)
- 所属: 大阪桐蔭高校(3年)
- 出身: 大阪府(大東市出身・大東畷ボーイズ出身)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 174cm、73kg
- 主な特徴や実績: 自己最速153キロを誇る本格派右腕。2026年選抜大会にて、準決勝の専大松戸戦で7回1失点の好投。体の開きを抑えるフォーム修正に成功し、名門の背番号1としての輝きを取り戻した。憧れの先輩は中野大虎。










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