春季高校野球静岡県大会の東部地区予選は29日、裾野球場などで敗者復活戦が行われ、県大会出場へのラストチャンスに挑んだ沼津商は、星陵を5-0で破り、2年連続となる県大会出場権を掴み取った。プロ注目の強肩強打の捕手・後藤幸樹選手(3年)は、代表決定戦で知徳に逆転負けを喫したショックを微塵も感じさせず、公式戦初先発の2年生右腕とエースによる完封リレーをアシスト。バットだけでなく、捕手としての卓越したインサイドワークと主将としての統率力でチームを県大会の舞台へと導いた。
公式戦初先発投手を好リード
この日のマウンドには、練習試合でも1イニングしか経験のない2年生の椎田悠太投手が公式戦初先発として登板した。緊張感に包まれる後輩に対し、後藤幸樹捕手は徹底したコミュニケーションで寄り添った。一球ごとにマウンドへ視線を送り、ジェスチャーを交えて勇気づける。その「笑顔のリード」が、椎田投手の右腕を解き放った。椎田悠太投手も「緊張していたけど、後藤さんの笑顔でリラックスできた」と話した。
椎田投手が5回を2安打無失点と完璧に抑えて試合の流れを作ると、6回からは前日の知徳戦で150球を投げ抜いたエースの秋津奏空投手(3年)へスイッチ。連投の疲れが懸念されたエースに対しても、後藤捕手は相手打者の反応を読み取り、負担を最小限に抑える配球でサポートした。秋津投手は「後藤が相手打者を見ながら対応してくれた(スポーツ報知)」と、全幅の信頼を口にする。結果として4回をわずか1安打。二人の投手の持ち味を最大に引き出した「扇の要」の存在感こそが、完封リレーの源泉だった。
大久保監督が称賛する主将としての劇的進化
攻撃面でも、後藤主将は数字以上の貢献を見せた。4回1死満塁の場面では、冷静にボールを見極めて押し出し四球を選び、貴重な3点目をもぎ取った。さらに6回には申告敬遠で歩かされると、続く椎田投手の二塁打で一塁から一気に本塁へ生還。50メートル5.9秒の快足を飛ばし、身体能力の高さを改めて証明した。3打数1安打という成績以上に、チャンスメイクと走塁での貢献は際立っていた。
「チームの勝利が一番。県切符が取れてまずはうれしい(スポーツ報知)。」と話す後藤選手に、大久保匡人監督(44)は精神的な成長を高く評価している。「リード面が後藤の一番の成長」と話し、この冬、後藤選手に対し「仮に、打てなくても、守りや走塁。そこがダメでも声で貢献出来る(スポーツ報知)」と伝えてきた。昨秋の県大会1回戦負けの悔しさを胸に、主将としてチームを勝たせるために何をすべきか、後藤選手は今大会で見事に結果を残してみせた。
聖隷クリストファー・高部陸投手への挑戦状。県大会で見据える「夏の予習」
県大会出場39校が出揃い、組み合わせ抽選は4月14日に行われる。後藤主将は、昨夏の甲子園出場校であり、今大会も優勝候補筆頭に挙げられる聖隷クリストファーとの対戦を熱望、20日の予選で5回完全試合を達成した全国屈指の左腕、高部陸投手に「夏の大会前に好投手と当たっておきたい(スポーツ報知)。」と話す。
二塁送球1.85秒の強肩と、入学時から13キロ増量して86キロとなった強靭な下半身から放たれる長打力が高く評価されている後藤選手。それでも、強豪校のエースを打ち崩し、勝利を掴むことでさらなるアピールを目指す。目標であるプロ入りに向けて、プロ注目投手を打って次の段階に進みたい。
【後藤 幸樹】 プロフィール
- 氏名: 後藤幸樹(ごとう・こうき)
- 所属: 沼津商業高校(3年)
- 出身: 静岡県(沼津市出身・三島シニア出身)
- ポジション: 捕手(主将)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm、86kg
- 主な特徴や実績: 50m5.9秒の快足と二塁送球1.85秒の強肩を誇る、静岡県屈指の身体能力を誇る捕手。2026年春季大会予選では、初先発投手とエースを導く完封リレーを演出。高校通算14本塁打の長打力に加え、精神的な成長がプロスカウトの注目を集める。









コメント