プロ野球が開幕し、各地でルーキーの活躍によって勝敗が決まった。マツダスタジアムで行われた中日との開幕戦では、広島東洋カープが劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。4点を追う9回にドラフト1位ルーキーの平川蓮外野手(21=仙台大)が起起死回生の同点2点二塁打を放つと、延長10回にはドラフト3位ルーキーの勝田成内野手(22=近大)が右前へサヨナラ適時打。新人の開幕戦サヨナラ安打はセ・リーグ史上初という歴史的快挙となった。広島の開幕戦サヨナラ勝ちは30年ぶり。二人の若武者が自らのバットで手繰り寄せた。
セ・リーグ初の快挙、勝田成選手が放ったサヨナラ打
5-5で迎えた延長10回2死一、二塁。この日、4打席無安打と苦しんでいた勝田成選手が大仕事をやってのけた。カウント1-0から勝野昌慶投手の投じた2球目、148キロの直球を鮮やかに右翼線へと弾き返した。歓喜に沸く本拠地の中心で、163センチの現役最小兵が笑顔を爆発させた。「チャンスで2回凡退してしまったので、3度目の正直ということで、はい、気合入れて打席に立ちました。サヨナラ打は経験はない。初安打がサヨナラ打で夢かなと思う。この大観衆で野球をするのが本当に初めてだったので、楽しくできました。」
お立ち台では、同期の平川選手を「本当に頼もしい同期です」と称え、家族が大阪から駆けつけた満員のスタンドに向けて「自分は日本一しか目指しません。ファンの皆様と日本一の光景、見ましょう!」と力強く宣言した。NPB現役最小兵ながら、その勝負強さは規格外であることを証明してみせた。
平川蓮選手の起死回生2点二塁打、9回3ボールから放った「無意識の一打」
この劇勝を呼び込んだのは、ドラフト1位の平川蓮選手だ。3-5とリードを許した9回1死一、二塁。カウント3ボールから、左翼線へ運ぶ同点の2点二塁打を放った。プロ初安打が値千金の同点打。5回にもプロ初打点となる内野ゴロを記録しており、開幕戦でいきなり3打点をマークする圧巻のデビューとなった。「全く振る気はなかったですけど、勝手にバットが出てびっくりした。佐々木さんと秋山さんにバットを触ってもらってたんで打てると思ってました。」
新井貴浩監督も「あのシチュエーションで振れるのは並の新人ではない」と、大舞台で物怖じしない心臓の強さを絶賛した。平川選手の野球人生は、小学4年の時に兄の練習についていき、人数不足のチームに誘われた偶然から始まった。
同期コンビの絆、お互いを「可愛くて面白い」「頼もしい」と称え合う
お立ち台には、プロの第一歩を劇的な勝利で飾った二人が並んだ。身長187センチの平川選手と163センチの勝田選手。凸凹コンビとも言える同期の仲の良さが、インタビューでも垣間見えた。平川選手は勝田選手のことを「可愛くて、面白い存在(スポーツ報知)」と評し、勝田選手のサヨナラ打については「もうニヤニヤしちゃいました(スポーツ報知)」とはにかんだ。
一方で、平川選手は自身の走塁ミスについても「最初一塁ベースを踏み外してしまって、1回戻ってしまったんで、頭抱えてたんですけど。次からはベース踏んで回りたいなと思います」と反省も忘れず、自己採点を60点と厳しくつけた。「ゆくゆくはトリプルスリー取れるように頑張ります」と高い目標を掲げるドラフト1位と、日本一を至上命題とするドラフト3位。新井監督が「苦しんで勝った方が成長する」と語る通り、この激戦を勝ち抜いた経験は、広島の新時代を担う二人にとって最高に濃密なプロの初日となった。
【平川 蓮】 プロフィール
- 氏名: 平川蓮(ひらかわ・れん)
- 所属: 広島東洋カープ(ドラフト1位・1年目)
- 出身: 北海道(札幌国際情報高-仙台大卒)
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投両打
- 身長・体重: 187cm、93kg
- 主な特徴や実績: 大学時代に本塁打・打点・盗塁の三冠を獲得した「五拍子」揃ったスラッガー。父は北海高監督の平川敦氏。2026年開幕戦でプロ初安打となる同点適時二塁打を含む3打点をマーク。目標はトリプルスリー。
【勝田 成】 プロフィール
- 氏名: 勝田成(かつだ・なる)
- 所属: 広島東洋カープ(ドラフト3位・1年目)
- 出身: 大阪府(関大北陽高-近畿大卒)
- ポジション: 内野手(二塁手)
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 163cm、70kg
- 主な特徴や実績: NPB現役最小兵の身長ながら、近大時代に6度のベストナインに輝いた技術と勝負強さを誇る。2026年開幕戦でセ・リーグ新人初となる開幕サヨナラ安打を放ち、強烈なデビューを飾った。目標は日本一。















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