日立製作所の生井惇己投手が、慶応大4年春以来となる神宮球場のマウンドで投球し、1回ノーヒット無失点、最速145キロを記録した。
明と暗
生井惇己投手にとって明治神宮球場のマウンドは輝いた場であり、辛い経験をしたマウンドでもある。
慶応大のリリーフとして左腕を目一杯振って投げた。リーグ通算成績は0勝1敗と勝ち星は無かったものの、34回1/3を投げて34奪三振、防御率2.88の成績を残している。2019年秋から登板してそのシーズンに優勝をすると、3年時の2021年には春秋連覇をし、その優勝にも貢献してきた。
しかし、明治神宮球場は悔しさの残る場所でもあると思う。2020年の秋のリーグ戦では勝てば優勝の早慶戦2回戦で、8回まで2-1とリードする場面で登板すると、早稲田大の蛭間選手に逆転の2ランホームランを浴びて優勝を逃した。
そして4年春のリーグ戦では法政大戦で9回途中から登板すると、左腕に激痛が走り4球で降板した。肘の故障によりトミー・ジョン手術を受ける事となり、その後の神宮球場での登板はなかった。
この日は雄叫びを挙げて三塁ブルペンからマウンドに登ると、先頭打者に四球を与えたものの、その後は最速145キロの気迫のこもった投球でバントの後にショートゴロ、ライトフライに打ち取り1回ノーヒット1四球で無失点に抑えた。
「やっと帰ってきたなという感じですね。またここで投げられて良かった」と話した生井投手、「課題もたくさん見つかったが、球は徐々に良くなってきた。このまま上げていければ」と話すが、「ようやく投げられたと言っている場合ではない。本当に結果にこだわってこれからはやっていかないといけない」と話し、秋には目標としているプロ入りを果たすべく、まずは都市対抗本戦での登板を目指す。

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