社会人野球都市対抗野球近畿2次予選の第1代表決定トーナメント1回戦が28日に行われ、日本新薬がパナソニックに2-4で敗れた。日本新薬のプロ注目右腕・遠藤慎也投手(24歳・亜細亜大)がリリーフ登板するも、パナソニックのルーキー・本間颯太朗内野手(22歳・慶応大)に決勝ソロ本塁打を浴び、悔しいマウンドとなった。チームは第4代表決定トーナメントでの巻き返しを目指す。
プロ注目の日本新薬・遠藤慎也投手、痛恨の決勝被弾も前を向く
3大会ぶりの本戦出場を目指す日本新薬にとって、手痛い一敗となった。プロ注目の最速152キロ右腕・遠藤慎也投手は、2-2の同点で迎えた6回に2番手としてマウンドに上がった。しかし、先頭打者であったパナソニックのルーキー本間颯太朗選手に、真ん中高めの146キロのストレートを完璧に捉えられ、左翼席へ運ばれる決勝のソロ本塁打を浴びた。この一発が勝敗を分ける形となり、遠藤投手は1回2/3を投げて3安打1失点という結果に終わった。
試合後、遠藤投手は「全力で投げ込んだ結果、相手の方が上だった。状態は悪くないけど、相手から研究されている部分もあると思う。先発でも中継ぎでも投げられるところで全力で腕を振るだけです」と、悔しさを滲ませながらも、次戦へ向けて気丈に語った。
日本新薬の鎌田将吾監督は「初戦の固さがあったと思う。バッテリー中心に普段通りやってくれれば、勝てる力があると思う。結果を受け止め、切り替えられるチームが強い。このチームは都市対抗に行ける。前を向いて勝ち上がります」と、第4代表決定トーナメントでの巻き返しを誓った。
遠藤投手は亜細亜大時代から注目をされていた投手で、昨年は特に秋の日本選手権予選で好投を見せており、今年の社会人野球の注目投手の一人とされていた。しかし、今年は春のJABA京都大会で、3回2/3を投げて7安打5失点という投球で課題を見せており、そこからの復活が注目されていた。都市対抗予選は第4代表トーナメントに回り、本戦出場の崖っぷちに立たされた。
この日は巨人や千葉ロッテなど7球団のスカウトが集まっていたと見られるが、そこでの復活にアピールとはならなかった。まずはこの予選はプロ入りに向けた大きな舞台となるが、今年は都市対抗本戦は8月28日に開幕するため、ドラフト会議に向けた最終的なアピールの場となる可能性がある。8月には本調子を取り戻しているかもしれず、何としても本戦出場を勝ち取りたい所だろう。
パナソニック新人・本間選手が決勝弾、遠藤投手から一発
一方、決勝打を放ったのはパナソニックの新人・本間颯太朗選手だった。166cmと小柄だが、慶応大学時代に通算5本塁打を記録した右の強打者で、この日は「6番・三塁」でフル出場。遠藤投手のストレートを捉えた一撃について「遠藤さんは真っすぐが強くて速い。まずはその真っすぐに振りまけないようにという意識で打席に立ちました。捉えることができて良かったです」と振り返った。パナソニックの中本浩監督は「性格が前向きだからこそ、こういう予選に強い。さすがですね」とルーキーの活躍を称賛した。
遠藤慎也投手 プロフィール
- 氏名:遠藤 慎也(えんどう しんや)
- 生年月日:2001年5月22日
- 出身地:愛知県小牧市
- 経歴:小牧パンサーズ(小学3年) – 尾張ボーイズ(中学) – 京都翔英高校 – 亜細亜大学 – 日本新薬(2年目)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:178cm・84kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇るプロ注目右腕。亜細亜大学時代には3年時に全日本大学野球選手権優勝に貢献。日本新薬入社1年目の昨年に日本選手権登板。2025年都市対抗野球近畿2次予選1回戦のパナソニック戦でリリーフ登板し、1回2/3を投げ決勝ソロ本塁打を浴び1失点。
本間颯太朗選手 プロフィール
- 氏名:本間 颯太朗(ほんま そうたろう)
- 所属:パナソニック(1年目)
- 出身大学:慶応義塾大学
- ポジション:三塁手
- 主な特徴や実績:慶応大学で通算5本塁打を記録した右のスラッガー。166cmと小柄ながらパンチ力のある打撃が持ち味。2025年都市対抗野球近畿2次予選1回戦の日本新薬戦で、プロ注目右腕・遠藤慎也投手から決勝ソロ本塁打を放つ。オリックス2軍との練習試合でも本塁打を記録。


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