都市対抗野球本戦ではENEOS(横浜市)がJR西日本(広島市)に6-2で勝利、今秋ドラフト候補の右の長距離砲・村上裕一郎外野手が、元プロの高田萌生投手からダメ押しの2点タイムリー二塁打を放ち、不振の中での打撃を見せた。
不振乗り越え、元巨人・高田からダメ押し二塁打
3打席目まで無安打だった村上裕一郎選手は、4-1の8回無死一、二塁のチャンスに、JR西日本の補強選手としてマウンドに上がっていた元巨人・楽天の高田萌生投手が投じた外角高めのスライダーを捉えると、打球は右中間を深々と破る2点タイムリー二塁打となり、二塁上で両手を上げてガッツポーズを見せた。
大会直前は「初めて不安だった」というほどの不振に苦しんだ。都市対抗予選では3試合で12打数5安打、打率.417で、5本のヒットのうち長打が4本(二塁打3本、三塁打1本)と力を見せたが、予選後は調子を急激に落とした。がむしゃらにバットを振っても調子は上向かず、「もしかして、トレーニングなんじゃないか」と、トレーニングを重視していた。
宮沢健太郎監督からの「自分も大会前に全く打てなかったけど、最終的には首位打者を取れた」という言葉で気持ちが楽になったという。打席前にも「打たせるからな」と送り出した監督に、「前に飛ばすことだけを考えました」と、吹っ切れたスイングで結果を出した。
巨人スカウトが舌を巻くパワー「ちょこんと当てただけで」
パワーには大学時代から注目されていたが、社会人ルーキーイヤーの昨季に最多本塁打賞を獲得し、その長打力にプロのスカウトも注目している。この日視察した巨人のスカウトも高い評価を示した。
巨人・榑松スカウトディレクター:「ちょこんと当てただけで、逆方向にあれだけ飛ばす。ちゃんとコンタクトして、あそこまで飛ばす力は魅力。右の長距離打者としては社会人トップクラス」
「今年で決めたい」運命のドラフトへ
本調子はまだまだと語る村上選手だが、ドラフト会議に向けては、「今年で決めたい」とプロ入りへの強い覚悟を口にする。都市対抗の大舞台で、不振を乗り越える価値ある一打を放った右のスラッガーが、運命のドラフトへ向けてここから波に乗っていく。
村上 裕一郎(むらかみ ゆういちろう) プロフィール
- 所属:ENEOS
- ポジション:外野手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:24歳。社会人を代表する右の長距離砲。ルーキーイヤーの昨季に最多本塁打賞を獲得。都市対抗1回戦で元プロの高田萌生投手からタイムリー二塁打を放った。
– 経歴:九州共立大



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