社会人野球のJABA伊勢・松阪大会が15日に開幕し、今秋ドラフト候補のHonda鈴鹿・田中大聖(やまと)投手(23)が圧巻のリリーフを見せた。今夏の都市対抗を制した王子を相手に、自己最速タイとなる157キロを計測。視察した8球団のスカウトの前で、投手専念で急成長を遂げた剛腕が強烈なインパクトを残した。
150キロ台連発、自己最速タイ157キロでどよめき
まさに圧巻の投球だった。8回1死二塁のピンチでマウンドに上がった田中大聖投手。最初の打者にこそタイムリーを浴びたものの、後続を断ち切ると、9回は圧巻の2者連続三振。1回2/3を無失点に抑える好リリーフを見せた。
この日は150キロ台を連発し、自己最速に並ぶ157キロを叩き出して球場をどよめかせた。「球速は気にせず、打者に向かって強いボールを投げ込めた」と、ドラフト前の大事なマウンドで、持てる力を存分に発揮した。
雑草魂で這い上がったたたき上げ
その剛腕は、エリート街道とは無縁の場所で磨かれてきた。鶴岡東高校時代は甲子園のベンチ入りメンバーだったが出場機会はなく、進学した太成学院大学は近畿学生リーグ2部で専用グラウンドもない環境だった。それでも鍛え上げた体で、投げては150キロ、パンチ力のある打撃と50m5秒台の足もあり、二刀流としてプロから注目される選手になった。
しかし、プロ志望届を提出したものの、ドラフト会議での指名はなかった。Honda鈴鹿に進むと⚀年間は二刀流に挑戦も今季から投手に専念すると、最速157キロを記録するなど投手としての能力が高まった。6月の都市対抗予選で3年ぶりの本大会出場に貢献。本大会ではリリーフで登板するも2回3安打2失点とほろ苦い結果となったが、それでも全国大会の舞台を経験した。
ドラフトへ「100%のパフォーマンスを出すだけ」
この田中投手には10球団から興味を示されているという。ドラフト候補として注目度は高い。この日も8球団のスカウトが視察に訪れ、157キロの球をチェックした。大勢のスカウトが集まったが田中投手は「もちろんプロには行きたいけれど、100%のパフォーマンスを出すだけ」といたって冷静だった。
まずは来週のドラフト会議を静かに待ち、来月の日本選手権では全国の舞台での雪辱を誓う。
田中 大聖 プロフィール
- 氏名:田中 大聖(たなか やまと)
- 所属:Honda鈴鹿
- 出身:鶴岡東高校 – 太成学院大学
- ポジション:投手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:178cm・98kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。自己最速タイの157キロを誇る剛腕。今季から投手に専念し急成長したたたき上げの選手。

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