わかさスタジアム京都などで社会人野球の京都府春季大会が行われ、日本新薬(京都市)が激闘の末にニチダイを下して優勝を飾った。決勝戦は延長11回タイブレークにもつれ込む大熱戦となったが、最後は鮮やかなサヨナラバント安打で決着をつけた。今秋のドラフト候補として急浮上している入社2年目の右腕・奥村開投手(23=専大)は、同日に行われた準決勝・ムラチグループ戦に先発すると、6回まで一人の安打も許さない「ノーヒット投球」を披露。152キロの剛球とキレ味鋭いフォークを武器に、名門・日本新薬の新たなエース候補としてその存在を強烈にアピールした。
準決勝で6回ノーヒット、152キロ右腕・奥村開投手が掴んだ自信
ダブルヘッダーとなった大会最終日、準決勝のマウンドに上がった奥村開投手の右腕は、開始早々から冴え渡っていた。1メートル84の長身から投げ下ろされる直球は、球速以上の圧力を打者に与え、ムラチグループ打線に付け入る隙を与えなかった。6回までノーヒットノーランを継続。7回先頭に右前打を許し記録こそ途絶えたが、6回1/3を投げてわずか1安打、無失点という非の打ち所がない内容でマウンドを降りた。
「立ち上がりはコントロールにばらつきがあってそんなに良くなかったですが、2回以降は修正できた。自分のボールを投げられれば抑えられるということも、少しは実感できました(スポーツニッポン)。」試合後、奥村投手は冷静に自らの投球を分析した。直前の東京スポニチ大会でもリリーフとして最速152キロをマークしており、先発としても高い適性を示した形だ。特に追い込んでからのフォークは「カウントも空振りも取れる」と絶対的な自信に変わりつつある。
元プロ・橋本健太郎コーチの熱血指導
奥村投手の進化には、今季から日本新薬の投手コーチに、OBで元阪神・ロッテでプレーした橋本健太郎氏の力がある。現役時代、力強い直球とフォークで鳴らした橋本コーチは、奥村投手に対し「縦回転で上からボールを叩く意識」を徹底的に叩き込んだ。キャッチボールの段階から意識を改革した結果、ストレートの伸びが格段に向上し、それに伴ってフォークの落差とキレも増した。
技術面だけでなく、精神面でも奥村投手の支えとなっており、「ピッチャーだったら、全てのことに対して自分で責任を取れ(スポーツニッポン)」という言葉で、先発としてマウンドを守り抜く覚悟をすることができるようになった。
決勝戦はタイブレークの死闘。遠藤慎也投手の粘りとサヨナラの歓喜
準決勝での奥村投手の快投を受けて臨んだニチダイとの決勝戦は、2-2のまま9回まで決着がつかず、延長11回タイブレークへ突入。緊迫した場面でチームを救ったのは、2番手で登板した遠藤慎也投手(24=亜大)だった。遠藤投手は無死一、二塁から始まるタイブレークの状況下でも動じることなく、合計5イニングを無失点に抑える完璧なリリーフを見せた。
そして11回裏1死一、三塁。極限の緊張感のなか、日本新薬が選択したのはバント。これが内野安打となり、劇的なサヨナラ勝ちで京都の頂点に立った。就任1年目の松下和行新監督(46)に最初のタイトルを贈った。
「2大大会で結果を出してプロへ」飛躍の1年
福井商、専修大で投げてきた奥村投手、社会人1年目は思うような結果が出せなかったが、そのポテンシャルは今や誰もが認めるものとなった。「与えられたところで絶対に0点に抑え、2大大会で結果を出したい。その上でプロに行きたい目標もあります(スポーツニッポン)。」と話す。社会人右腕として注目される投手となりそうだ。
【奥村 開】 プロフィール
- 氏名: 奥村開(おくむら・かい)
- 所属: 日本新薬(入社2年目)
- 出身: 福井県(福井商業高-専修大学卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 184cm、85kg
- 主な特徴や実績: 最速152キロを誇る本格派右腕。180cmを超える長身から投げ下ろす威力ある直球と、橋本コーチ直伝の縦のフォークが武器。京都府春季大会準決勝で6回まで無安打無失点の快投。2026年ドラフト上位候補として注目が集まる期待の2年目。
【遠藤 慎也】 プロフィール
- 氏名: 遠藤慎也(えんどう・しんや)
- 所属: 日本新薬
- 出身: 広島県(広陵高-亜細亜大学卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 178cm、80kg
- 主な特徴や実績: 粘り強い投球が持ち味の実力派右腕。ニチダイとの決勝戦では延長11回タイブレークを含む5イニングを無失点に抑え、優勝に大きく貢献した。名門・広陵、亜大で培った勝負強さはチーム随一。







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