早大・有原航平投手が完封、日米16球団スカウトが視察

早大, 有原航平

 東京六大学が開幕した。早稲田大・有原航平投手vs法政大・石田健大投手の投げ合いとなった試合は、有原投手が4安打完封勝利した。この試合には日米16球団のスカウトが視察に訪れ、非常に高い評価をしている。

151km/hで4安打7奪三振

 有原投手は昨年の秋以上にさらに成長をしていた。この日は初回から149km/hの速球を集めながらも、「序盤は腕が振れなかった」と話し5回まで三振は2つだけ、それでもコンスタントに140km/h後半を記録するストレートで打たせて取った。

 5回2アウトからライバル・石田健大投手の打席では151km/hを記録しながらも、打撃も良い石田投手に9球粘られた。しかしそれで腕が振れる様になるとそれ以降に5つの三振を奪い、9回4安打7奪三振、三塁を踏ませない完封勝利となった。

 内容は圧巻のものだった。初球の入り方が抜群に良く、ストレートで入ってファールを打たせたり、スライダーで入って見逃しのストライクを奪ったり。ほとんどの打者を2球で2ストライクまで追い込み、打者に勝負をさせる前に勝負を決めてしまっていた。

 コンスタントに148km/h前後を投げられる選手はプロでもほとんどいない。ただしストレート、変化球共にやや高めだった。大学では通用するがプロではもう少し低めに投げる必要もありそうだ。

 

日米16球団スカウトが視察

 この日は国内12球団と、ヤンキース、ドジャース、マリナーズ、パドレスなどメジャー4球団のスカウトが訪れた。巨人はスカウトが常に有原投手の名前を出し、報知新聞もこの日は裏一面で報道をしている。アメリカ遠征でも詳しく報道をしており、ドラフト1位指名の可能性が濃厚と言える。

○巨人・山下スカウト部長:「スケールが大きい。持っている排気量が違う感じ。先発完投型でプロで2ケタ勝利を狙える力もある。当然1位候補です」
○広島・苑田スカウト部長:「有原は最高によかった。球威は151km/h出ていたしキレもあった。落ち着いて投げていたね。石田も良かったし、今日は楽しかった」
○東京ヤクルト・鳥原チーフスカウト:「スケールが大きい。まだ余力を感じる。ノー文句で1位の投手」
○千葉ロッテ・松本編成統括:「変化球の精度が高い。スライダー、チェンジアップ、ツーシーム、スプリット、カットボール。速い真っすぐにこれだけ変化球があったら大学生レベルではなかなか打てない。」
○横浜DeNA・吉田スカウト部長:「150km/hを超えてくる投手は、やはり魅力的です。ドラフト戦略としても、良い投手なら右も左も関係ないでしょう。」
○北海道日本ハム・大渕スカウトディレクター:「昨秋からそうですが、ピンチでも全く慌てない。直球もいいですが、変化球の制球がしっかりしているから打たれない」
○埼玉西武・奥園満編成部育成アマ担当部長:「有原は昨年から変わらずいい投手。今年の目玉になることは間違いない。」
○ドジャース・大慈弥日本担当部長:「三者三様の素晴らしい投手。日本の上位候補はしっかり見ておかないと」

 

有原投手の成長

 ここでは何度も書いているが、有原投手は広陵高校時代から140km/h中盤を記録し、ドラフト上位候補として注目されていた。しかし大学3年生の春までは、球速は出るもののそのストレートを狙い打たれるような所もあった。防御率も2年春までは5点台、2年秋、3年春も2点台で10勝9敗だった

 それが昨年秋に3勝1敗ながらも防御率で0.72を記録し、打たれない投手に成長する。多彩な変化球の制球が良くなり、そのため打者は、150km/hのストレートがまともにバットに当てられなくなった。そのピッチングが今年できるかどうかに注目されたが、今年はさらにコンスタントに140km/h後半を投げるようになっていた。

 まだ成長を続ける右腕は今年のドラフトの目玉で間違いない。

 

 表情は変わらなかった。有原は最後の打者を右飛に仕留めると、すぐに整列に加わった。「チーム、自分としても、勢いづける投球がしたかった。その点で良かった」。4台のテレビカメラを前にしてもクールに振り返った。4安打完封で開幕白星に導き、勢いづけるには十分すぎる120球だった。

 “同郷対決”に燃えた。投げ合うのは「してはいけないけど、意識してしまう」という同じ広島出身の石田。「開幕戦の緊張もあったし、初回は球威も空振りもなく、調子は良くなかった」。しかし、3回に自らの右中間二塁打で先制すると、5回2死の石田の打席でこの日最速の151キロをたたき出した。

 最後はフルカウントから、唯一の四球を出したが「そこから自分の中で感覚がつかめて腕が振れた」。大きく沈むチェンジアップを軸に、5回から5イニングで7三振を、すべて空振りで奪った。三塁を踏ませず、二塁を踏ませたのも捕逸による1度だけ。圧巻のピッチングだった。

 序盤は直球に切れがなく、4回までに3安打を許し、奪三振は0だった。きっかけをつかんだのは5回2死。第1打席で中前打を許した石田との対戦だった。9球粘られた末に四球を与えたが、そこで指先の感覚をつかんだ。5回以降は内野安打1本で切り抜け、7奪三振と尻上がりに調子を上げた。そして9回にこの日最速の151キロを計測。チェンジアップの落差も大きくなり「腕が振れるようになって、より真っすぐの軌道に近いものになったと思う」と分析した。

 

 下級生時代は主な役割はストッパーだったが、昨春から先発として主戦となった。だが、昨年は優勝争いに絡めずチームは4、3位に終わった。「自分が先発になってからなので、責任を感じていた」。冬場はスタミナ強化のために例年よりも多くブルペン入りし「中盤から終盤にかけて三振が取れたのは自信になった」と投げ込みの成果を実感した。

国内外スカウトズラリ、有原完封、4安打7Kで実力 - ニッカンスポーツ紙面:2014/4/13

 ※各球団のスカウトのコメント等が掲載されています


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