亜大が優勝、九里亜蓮投手がMVP、最優秀防御率は山崎康晃投手、青学大・吉田正尚選手がホームラン王

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 東都リーグの亜大vs中大の試合は亜大・山崎康晃投手が、9回を7安打4奪三振1失点と安定したピッチングを見せて完投勝利、亜大が優勝を決めた。

 最速145km/hのストレートと鋭く沈むスライダーなどで8回まで無失点、9回に1点を失ったものの堂々のピッチングだった。これで山崎投手は防御率1.10となり最優秀防御率となった。41回を投げて奪三振は29と少ないのが山崎投手の特徴、ストレートで詰まらせ、変化球で引っ掛けさせて打ち取っていくスタイルで来年のドラフト候補の一人だ。

 亜大の九里亜蓮投手は今季は序盤に本来の調子が出せずに防御率は1.75で4位、しかし終盤に盛り返して5勝を挙げ、堂々のMVPの獲得だ。最優秀投手賞、ベストナインは6勝で防御率1.70の駒大の今永昇太投手が獲得した。ドラフト1位候補の国学大・杉浦稔大投手は防御率1.71で3位で3勝2敗、右足の捻挫のため終盤に登板できなかったが、プロのスカウトでこの春に評価を挙げた選手の一人、ドラフト1位指名を確実にしたといってよい。

 野手では青学大の171cm・吉田正尚選手が4本塁打を放ちホームラン王となった。吉田選手は昨年春に1年生で打率.311を記録してリーグ7位の成績を残したが、秋は打率.244に沈む。しかし勝負強いバッティングで春秋連続で指名打者のベストナインに選ばれていた。今季は打率.222ながら4本塁打を放つなど長打力を見せ、外野手のベストナインに選ばれた。ベストナインは1年生から3季連続となる。どんな風に成長していくのか楽しみな選手だ。

 また亜大の嶺井博希捕手が打率.361を記録してリーグ5位となった。嶺井投手は東浜巨投手、九里亜蓮投手、山崎康晃投手といった投手陣をリードして亜大の4連覇に貢献している。あまり目立たないもののその存在感は大きく、今後どのような進路を取るのか、またプロがどのように評価するのかに注目したい。

 昨年、大阪桐蔭の主将として春夏連覇を達成した亜大・水本弦選手も打率.349を獲得、1年生の春でベストナインを獲得した。東京六大学でも立大の沢田圭佑投手が防御率2位となっており、あらためて昨年の大阪桐蔭の層の厚さを感じさせた。

 絶対エースがいなくなった亜大が、強くなって戦国東都を制した。35勝を挙げた東浜巨投手(現ソフトバンク)が卒業。生田勉監督(46)は開幕前、覚悟していた。「4年間エースだった投手がいない。入れ替え戦を意識してきた」。だが、嶺井博希主将は「一人一人が2か月、積み重ねてきたものが出た結果」と、日焼けした顔をほころばせた。

 後継者と目した九里が開幕戦で6回途中KO。1点を守り抜く野球から戦術を変えるしかなかった。従来、練習の8割を占めていた守備を打撃に変更。毎週、対戦投手ごとにゾーンを9分割して、狙い球を絞って打つ練習を徹底。昨秋はリーグ5位の1割8分3厘だったチーム打率が、リーグトップの2割8分8厘と上昇。規定打席に到達し打率3割以上が1人だった昨秋に対し、今季は6人。「投」から「打」の亜大へ変ぼうした。

 開幕黒星から2カード目以降は3年生右腕・山崎を1回戦に起用。九里は「いつか取り返したいと思っていた」と言えば、山崎は「九里さんに負けたくなかった」と言葉を返した。最終週に1回戦先発は入れ替わったが、ともに完投。全9勝は競った両右腕から生まれた。

 大学選手権へ「2か月前なら自信はなかった。でも、2人が完投した今なら自信がある」と指揮官。39年春から6連覇の専大、07年春から5連覇の東洋大に次ぐ亜大初の4連覇を遂げ、11年ぶりの全国の春の頂へ―。若武者たちの成長は、まだ止まらない。

打の亜大4連覇!東浜抜けても強かった!/東都  - サンケイスポーツ:2013/5/31

 絶対的エースの東浜が卒業した。開幕戦で新エースの九里が青学大にKOされた。生田監督の言葉もあながち謙遜とはいえなかった。

 方針を180度転換した。守り勝つ野球が主流の東都で、昨年まで守備8割だった練習時間を、打撃7割に変えた。対戦校別に打撃テーマを絞った。外角低めと徹底したら、それ以外は見逃しも許した。

 2番・北村はこの日4打数4安打5打点の固め打ち。9番打者の長曽我部が亜大では1994年春の沖原佳典以来となる首位打者を獲得。昨秋1試合だけだった5得点以上の勝利が、今季は5試合。鮮やかなモデルチェンジだった。

 主将で正捕手の嶺井は、過去のVTR、先乗りのデータを分析して主戦の九里、山崎のリードに生かした。「大きな柱は抜けたけれど、一人一人の役割を束にしてやっていこうとした結果。大学選手権も東都の代表としてがんばりたい」と嶺井。次の目標は昨年の東浜が届かなかった、5度目の大学日本一だ。


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