大学野球選手権1日目、九州産業大vs日本文理大の九州対決は、草場亮太投手vsケムナ誠投手の150キロ腕が先発した。
ケムナ投手の立ち上がり
最速151キロの速球を投げるケムナ誠投手が先発に抜擢された。初回は140キロ後半で伸びてくるストレートがストライクに決まり、真ん中高めの球もバットが球の下を通って空振りを奪った。マウンドでも笑顔が見られていた。
しかし「初回は足が震えていた」と話したケムナ投手、徐々にストレートの伸びが落ち始めると、3回にはストライクが取れなくなり連続四球でノーアウト満塁とし、九産大の3年生・岩城駿也選手に右中間深くへの3点タイムリー2ベースを浴びて降板した。
「コントロールが定まらなかった。気持ちが弱かった」と話したケムナ投手、この日は誕生日だったが、良い結果とはいかなかった。しかし、投げられるストレートは本物の伸びがあった。プロ志望をすればドラフト会議で指名される投手だと思う。そこにつながる誕生日の投球だった。
草場投手は150キロ記録
一方、草場亮太投手は、立ち上がりに「悪い時の感じ。浮足立った感じでした」と調子の悪さを感じていた。そこで「変に力んでしまう癖があるので、やる気が無いように」と、マウンドでわざと迫力のないような投球にし、シュート回転するストレートとスライダー、カーブなどの変化球でかわす投球を見せた。
6回7安打4失点と結果もまずまずだったが、それでも「スピードが出ていないと、なぜか大久保監督に怒られます」と球速は150キロを記録した。力を入れた球は、左バッターの外角に140キロ後半を記録し、力のあるところを見せていた。
スカウトは評価
ケムナ投手と比べてもストレートの伸びは良くなかった草場投手だが、東京ヤクルトの小川SDは「試合をつくる能力を持っている。各球団、上位候補に入ってくるんじゃないか」と話すと、広島・苑田統括スカウト部長も「初戦は大事にいこうとまとまった感じ。もっと球威は出てくると思う」と話した。
シュート回転する球、投げっぷりというよりは指先で変化をつけて勝負するようなスタイルに、横浜DeNAの久保康友投手のようなイメージをさせる投球だったが、もう少し力のこもった球を投げられると思う。
今大会、そして秋のリーグ戦でも追っていかないと評価しづらいタイプの投手だが、プロでさらに伸びる所もあると評価でき、プロ志望をすれば2位以内には指名されると思う。
岩城選手が1本塁打6打点
九産大は3番の岩城駿也選手が、ケムナ投手のストレートにしっかりしたスイングで対応し、3回に右中間への先制の3点タイムリー2ベースヒット、そして7回にはライトスタンドに飛び込む3ランホームランを放った。
5打数2安打6打点、リーグ戦では3本塁打25打点をあげており、その打撃は本物だった。守備はファーストで出場していたが、3年生、来年はサードを守って輝いてほしい。注目選手になるだろう。
広島・苑田統括スカウト部長は「初戦は大事にいこうとまとまった感じ。もっと球威は出てくると思う」と評価した。
視察したヤクルトの小川淳司SDは「試合をつくる能力を持っている。各球団、上位候補に入ってくるんじゃないか」と話した。
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