春季リーグ戦が中止となった東都リーグは、各大学の監督より、野球を継続した選手を対象としたトライアウトのような機会を設けてほしいという要望が出ている。
トライアウト実施
春季リーグ戦が中止となった東都リーグ、現時点でチームの活動を休止している大学も多く、また新型コロナウイルスの状況がまだ先が見えないため、秋のリーグ戦の開催も不透明となっている。瀬尾事務局長は「秋のリーグ戦も通常通り開催できるとは思っていない」と危機感を示した。
そして、その時には「現場の監督からは、野球継続希望者をスカウトの方々に見てもらえるトライアウトのような機会を設けてほしいという声も上がった」と話した。東都リーグでは今後もプロや社会人などで野球継続を希望する選手がいるが、4年生の今年、春に続いて秋もプレーできない状況になると、プロのスカウトや社会人の関係者もプレーを見る機会が無くなり、「試合数が少なくなることで純粋にアピールする場が減ってしまう」と話す。そして、野球を断念してしまう選手も出てきてしまうだろう。
そこで、トライアウトのような機会を設け、プロや社会人関係者にプレーを見てもらう事で、少しでも野球を継続できる選手を増やしたい。瀬尾氏は「当落線上の選手もいる。一般学生の就職活動も含め、支援ができれば」と今後検討していく方針を示した。
東洋大・村上投手、中央大・牧選手、五十幡選手注目、個人記録に影響も
東都リーグの主なドラフト候補は次の通り、また今朝のスポーツニッポンに掲載されている選手にマークを付けた。
守備 | 選手名 | 大学 | 特徴 | 評価 | スポニチ |
投手 | 糸川亮太 | 立正大 | 右右 170/71 | B- | ◎ |
渡部勝太 | 立正大 | 右右 170/67 | B | ||
倉田希 | 立正大 | 右右 181/81 | B | ||
畠中優大 | 中央大 | 左左 177/80 | B+ | ||
内間拓馬 | 亜細亜大 | 右右 179/84 | B+ | ◎ | |
平内龍太 | 亜細亜大 | 右右 186/90 | A | ◎ | |
村上頌樹 | 東洋大 | 右左 174/75 | A | ◎ | |
上出拓真 | 国学院大 | 右右 182/70 | B+ | ||
竹本祐瑛 | 駒澤大 | 右右 186/93 | B+ | ◎ | |
小谷野楽夕 | 日本大 | 右右 180/63 | B | ||
佐藤奨真 | 専修大 | 左左 175/68 | B+ | ◎ | |
多田裕作 | 拓殖大 | 右右 177/78 | B- | ◎ | |
小川隼平 | 青山学院大 | 右右 183/75 | B+ | ||
捕手 | 立松由宇 | 立正大 | 右左 176/83 | B | ◎ |
山崎基輝 | 東洋大 | 右右 178/82 | B+ | ◎ | |
内野手 | 小川龍成 | 国学院大 | 右左 172/72 | B | ◎ |
牧秀悟 | 中央大 | 右右 178/81 | A | ◎ | |
内山京祐 | 中央大 | 右左 173/66 | B- | ||
小川翔平 | 東洋大 | 右左 180/72 | B+ | ||
矢野雅哉 | 亜細亜大 | 右左 174/65 | B+ | ◎ | |
外野手 | 五十幡亮汰 | 中央大 | 右左 172/67 | A | ◎ |
若林楽人 | 駒澤大 | 右右 177/77 | B+ |
東洋大の村上投手、中央大の牧選手、五十幡選手などはドラフト上位候補として名前が挙がっており、例え今年、リーグ戦が行われなくてもドラフト会議で指名される可能性は高い。ただし、例えば牧選手は現在リーグ通算71安打で、春・秋にリーグ戦が行われていれば100安打に手が届いていたとみられる。リーグ通算100安打という称号を得てドラフト会議を迎える事は難しくなる。また亜細亜大の矢野雅哉選手は、春にスカウトの評価情報も出ており、高い身体能力が注目されており、この春にドラフト上位候補になってくる可能性もあった。内間投手も昨年までは不安定だったが、今年は投球が変わってきたという声もあった。
むしろ影響を受けるのは、指名確実ではない選手や、社会人でプレーできるかどうかという選手で、ここに名前が挙がっている選手でも中央大の畠中優大投手は、左から正確なコントロールと変化球を織り交ぜる投球を見せ、社会人で活躍できそうなピッチングをしている。しかし下級生時代は主力として投げていたものの、昨年は結果を残せておらず、今年の成績が注目されていた。
またここに名前が出てこない選手も、大きな可能性があった選手は少なくないだろう。トライアウトが開催されば注目されることは間違いない。もちろん開催されれば、選手にとってありがたい機会となるものの、どんなタイミングで、どのような形式で行われるのか、数打席、数人の打者との対戦で人生が変わってしまうとなると、それはまた大変な事になってしまう。
秋のリーグ戦は通常通り開催できるために、選手や関係者だけでなく、多くの人の協力が必要だ。
今年の東都大学リーグでは、昨秋覇者の中大の強打者・牧や「サニブラウンに勝った男」こと俊足を誇る五十幡をはじめ、東洋大のエース村上、亜大の名手・矢野ら多くのドラフト候補がいる。秋のリーグ戦開催も不透明とあって、現場の監督からは社会人も含めた競技続行希望者の進路について「試合数が少なくなることで純粋にアピールする場が減ってしまう」と危惧する声が上がっている。またプロのスカウトや社会人の採用担当者からも大学だけでなく高校、社会人の看板大会の中止が相次ぐ中でチェックの機会の喪失を憂う声があるだけに、瀬尾事務局長は「(競技が続行できるかどうかの)当落線上の選手もいる。一般学生の就職活動も含め、支援ができれば」と今後検討していく方針を示した。
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