東都リーグを代表する右のスラッガーとして注目される駒大・鵜飼航丞選手が、大学通算8本目となるホームランを放った。センターバックスクリーンに突き刺さる当たりに、プロのスカウトも驚嘆した。
プロでもあの軌道でのホームランはあまりない
右の強打者として注目される鵜飼航丞選手はこの日、4番DHで出場すると、2回にセンター前ヒットを打ち、中大先発の皆川投手にタイミングを合っている所をみせた。
そして5回、ランナーをおいて打席に入ると、軽く拾ったようなスイングで放った打球は、センターにぐんぐんと伸びていく。そのままバックスクリーンにライナーで突き刺さる当たりは、大学通算8本目、2ランホームランとなった。
「完璧でした。犠飛を打つ気持ちで打席に立っていたので、強振せずにいけた。うまく捉えることができました。よく飛びましたね」と話した鵜飼選手、「春は差し込まれることが多かったので、ワンテンポ速くタイミングをとることを考えました」と、春から進化したことを強調した。
この日は東都リーグ開幕ということもあり、12球団のスカウトが視察に訪れたが、巨人は水野参与、中日は松永編成部長、埼玉西武は渡辺GM、東京ヤクルトは小川GMなど、各球団の編成トップが視察をしている。
巨人・榑松アマスカウト統括:「すごかったね。センターに引っ張ったような打球。荒さはあるが魅力がありますね」
中日・正津スカウト:「プロでも、あの軌道でのホームランはあまりない。肩も足もある」
西武・潮崎ディレクター:「パンチはある。外野手が追うのを諦めていた」
と評価した。
ドラフト会議について鵜飼選手は、「優勝に貢献すれば自然とついてくる。ずっと使ってくれた大倉監督に優勝で恩返ししたい。」と話し、あくまでリーグ優勝を目標としていく。
あまりスイングをしなくても打球が伸びていく感じで、パワーがあることをみせた。DHで出場しているが、遠投は110mと肩もあり、試合前練習などでみせている。あとはやや確実性の低かった打撃が上がってくるかどうかで、この日は5打数2安打、これからもマルチ安打を続けてゆきたい。
今春は打率2割2分7厘ながら3本塁打で、今年の大学球界屈指の大砲。2回には先制につながる中前打、特大弾の後は2度の満塁機で凡打したが、視察したNPB12球団のスカウトは非凡な長打力を再確認した。巨人の榑松アマスカウト統括は「センターに引っ張った感じ。荒さはあるが魅力がありますね」と評価。松永編成部長も視察した中日は、正津スカウトが「プロでも、あの軌道でのホームランはあまりない。肩も足もある」とほめた。
今秋ドラフト候補の駒大・鵜飼航丞外野手(4年・中京大中京)が12球団スカウト陣の前で豪快なアーチを放った。四回無死三塁からの第2打席で、「うまく捉えたのでよく飛びました」と内角低めの直球をバックスクリーンに直撃させる2ラン。視察した巨人・榑松スカウト部次長が「すごかったね。センターに“引っ張った”ような打球」と舌を巻くほどの当たりで、バックネット裏に強烈な印象を残した。
ドラフトまであと1カ月も、鵜飼はリーグ戦優勝を見つめている。「今まで、調子が悪くてもずっと試合で使ってくれた大倉監督に感謝しています。優勝して恩返しをしたい」。1年春からベンチ入りも、2年春までは結果を残すことができなかった。それでも試合で起用し、経験を積ませてくれた大倉監督のために。鵜飼は、ラストシーズンに4年間の思いをかけてバットを振る。

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