駒澤大が今年の練習を納めた。今年春は3年生の福山優希投手が全12試合に登板し3勝6敗、秋も全10試合に登板し5勝4敗だったが、大倉監督は「他のピッチャーがどう整うかにもよるが、福山には来年もきついところを任せる。じゃんじゃん投げてもらいたい」と話した。
行けると判断したうえで
今年は春12試合、秋10試合にすべての試合で福山優希投手が登板し、合計8勝10敗という成績となった。これについて大倉監督は「投手の数が足りないなか、彼にとってはいい経験ができたのではないか。秋は、勝つ確率が上がる投球に変化してきた」と話す。
ただし、「全部、本人と話して、トレーナーと整えて状況を見ていけると判断したうえで送り出している」と話し、「きついけれど、チームのために」という感覚で投げさせているのではないと話した。
福山投手も「抑えるには、自分のボールをどう使えばいいか。球の精度を含め、一つ一つ確認しながらやってきた。その結果、投げることで精いっぱいだったのが、相手が見える形で攻めていけるようになった」と話す。
そして来年について大倉監督は「他のピッチャーがどう整うかにもよるが、福山には来年もきついところを任せる。じゃんじゃん投げてもらいたい」と話し、先発だけではなく、リリーフとして厳しい場面で起用することを考えている。
しかし、侍ジャパン大学代表合宿では、2回を投げて7安打を許し、代表のバッターを抑えることができなかった。リーグ戦の披露を取るタイミングだったとかもしれないが、影響もかなり感じられた。
そして、なにより、チームの他の投手の経験が少ないことが、悪循環になるかもしれない。経験をしないから成長ができない、それによって他の投手が出てこないため福山投手が投げる、という循環を断ち切るためには、福山投手の起用をあえて抑えていくことも必要ではないかと思う。
福山投手は、今年の投球を見る限り、来年のドララフト会議での指名の可能性はあると思う。しかし個人的には、社会人でも故障をせずに投げられるかを見てみてという感覚になる。
本人がしっかりと将来を見て、来年の投球にはその視点も加えて登板を判断してほしい。監督もチーム全体の投手陣の視点を持って、1つ1つの試合の起用の判断をしてほしい。他の投手がいないと話すが、他の大学の監督にその言葉を面と向かって話せるのかというほど駒澤大には良い投手がいて、その選手もそれぞれの将来や夢を持っているということだ。

捕手出身の大倉監督は、投手にとっての“いい球”でなく、打者を封じることができる球を福山に求めてきた。「抑えるには、自分のボールをどう使えばいいか。球の精度を含め、一つ一つ確認しながらやってきた。その結果、投げることで精いっぱいだったのが、相手が見える形で攻めていけるようになった」
その域に到達するためには、マウンドでの経験が不可欠だった。全試合登板の裏側を、大倉監督は次のように話す。「全部(本人と)話をして、トレーナーと(状態を)整えて、状況を見て『いける』と判断したうえで送り出しています。2人の中では、全く普通のことをやっただけ。逆に、投げることで見えたことが多かった。プラスになったことしかない。『きついけれど、チームのために…』という感覚はゼロ。そんなことをさせるつもりはありません」

中日ドラフト2位の鵜飼、主将で4番だった新田が抜けるものの、今秋のベンチ入りメンバーが投打ともに残る。課題は底上げ。特に投手陣は福山をジョーカー的に起用したい方向で、大倉監督は「他のピッチャーがどう整うかにもよるが、福山には来年もきついところを任せる。じゃんじゃん投げてもらいたい」と期待した。
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