東都リーグ2部の東京農業大は、最速147キロの速球を投げる左腕エースの宮崎颯投手と、右腕エースの鶴田克樹投手、俊足の西表大夢選手、捕手の伴野司選手などが1部リーグ昇格について語った。
悪い伝統
宮崎颯投手は180cm88kgのガッチリした体型から、力強いストレートを投げる左腕投手で、今年のドラフト候補として注目される。昨年秋は0勝0敗ながら、21回を投げて自責点は1、防御率0.43で2部リーグながら最優秀防御率となった。
また鶴田克樹投手は下関国際高校時代に140キロ中盤から後半の速球を投げる投手として甲子園でも注目され、大学でも147キロの速球を中心に動く球などで右のエースとして投げている。
しかし、東農大は1993年秋を最後に1部の上がっておらず、宮崎投手は「悪い伝統。何かを変えなければ」と話す。投手陣はこの冬に走る量を2倍にし、トレーニングを重ねた。その結果、「制球力、球速も上がっていると思う」と話す。また鶴田投手も「勝てるチームにするために、完投能力を身に付けたい」と目標を設定し、「球速を上げ、勝てる投手に」とトレーニングに励んだ。
東農大は他にも50m5.8秒の俊足が高校時から注目される西表大夢選手が、昨年は左肘の靭帯を痛めてリーグ戦出場がなかったものの、現在は完治し練習をしている。「リードからスタートまで、突き詰めて考えるようになった。100%の盗塁成功を狙います」と話した。また、遊撃手として守備に定評のある横瀬辰樹選手や、昨年秋から正捕手としてマスクを被る伴野司捕手なども、「勝ちたいんです」と1部昇格に気持ちを込めた。
1部でプレーを見せることができれば、またその先の将来が変わってくる選手もいると思う。素質の高い選手が揃う東都2部が注目される。

昨秋、2部で最優秀防御率を獲得した左のエース・最速147キロの宮崎颯投手(3年=埼玉栄)は「(2部に甘んじているのは)悪い伝統。何かを変えなければ」と、投手陣の反骨心を促すため、この冬は走り込みの量を倍に増やし、トレーニングを重ねた。下半身、体幹が鍛えられ、毎日のキャッチボールもいい感触だ。「制球力、球速も上がっていると思う」とブルペンでの投球を心待ちにしている。「負けたままでは終われない」。その言葉には、宮崎の強い意志が宿っていた。
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