2023年の大学野球選手権は決勝戦が行われ、青山学院大が明治大に4-0で勝利し日本一に輝いた。153キロ右腕でドラフト1位候補の常広羽也斗投手が、明治大を7安打10奪三振で完封した。
MVPと最優秀投手
常広羽也斗投手は昨年秋に主にリリーフで登板し、150キロ台のストレートで防御率0.30、2勝1敗を挙げ、12月の侍ジャパン大学代表候補合宿でも、トップクラスのストレートと変化球を投げており、今年のドラフト1位候補として注目されていた。
春のリーグ戦は3勝0敗、防御率1.44も、同じ右腕でドラフト候補の下村海翔投手が3勝0敗ながら防御率0.85でリーグ2位の成績を残し、終盤は下村投手が1戦目の先発としてエースになっていた。
しかしこの大学野球選手権では準々決勝の中部学院大戦で6回3安打9奪三振で無失点の投球を見せると、この日も強豪・明治大を9回7安打10奪三振で完封した。150キロ台のストレートを低めに決め、130キロ後半から140キロ台のスプリットを同じ高さから落とし、空振り、見逃しの三振を面白いように奪った。
これで今大会は15イニング無失点、防御率0.00で2勝を挙げ、MVPと最優秀投手に輝いた。「リーグ戦でいいピッチングができなかったので、全日本で頑張ろうと思った。こういう結果になって良かった」と話した。
この日もスカウトが視察をしているが、
北海道日本ハム・大渕スカウト部長:「楽天・岸タイプ。上位12人に入るのは間違いない。直球も変化球もキレがいい。バランスがよく力感のないフォームから、びゅっと放ってくる。しなやかな腕の振り、制球力に緩急、キレに指先の感覚と、理想的な投手」
中日・正津スカウトは「すべてここに合わせてきたようですね。これだけ真っすぐがよくて、どの球種でもストライクが取れると打者は打ちづらい。リーグ戦体重移動がうまくできていなくて下が使えていなかったが、バランスが良くなった」
と評価した。
日本一に輝き、そしてドラフト1位指名はほぼ確実なものとした。これから侍ジャパン大学代表として日米大学野球、そして秋のリーグ戦もあるが、この投手がどこの球団でプレーするのが良いだろうという目で見ることになる。
▽日本ハム大渕GM補佐兼スカウト部長(青学大・常広について) 間違いなくドラフト上位候補。直球も変化球もキレがいい。バランスがよく、力感のないフォームから、びゅっと放ってくる。楽天岸投手のようなイメージ。
ネット裏で視察した中日・正津スカウトは、常広について「すべてここ(決勝)に合わせてきたようですね。これだけ真っすぐがよくて、どの球種でもストライクが取れると打者は打ちづらい」と素質に加えて、対応力の高さに目を細めた。
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