東都大学野球春季リーグ戦は東洋大と中央大が対戦し、東洋大が7-5で先勝した。序盤に点の奪い合いとなったが「5番・DH」でスタメン出場した東洋大の西川太基外野手(4年=九州学院)が、リーグ戦初本塁打となる逆転3ランをバックスクリーンに叩き込み、社会人での野球継続を熱望する自身の未来を切り拓く一撃となった。
背水の覚悟で放ったバックスクリーン弾
この日は2点を勝ち越された3回2死一、二塁の場面で、5番・西川太基選手は、真ん中高めストレートをフルスイングすると、打球は神宮の青空に大きな弧を描き、そのままバックスクリーンに到達した。大学での公式戦初アーチは、チームを逆転へと導く値千金の3ランとなった。
西川選手は、「角度よく上がって、途中から、行ったかなという感覚でした。驚いたというか、入るんだという感じ。うれしかったです」と、興奮した様子で話した。
西川選手は九州学院から東洋大に進学し、下級生時代から出場もしているが、まだその進路が決まっていない。井上大監督はその西川選手を「5番」に抜てきした。西川選手も社会人野球での野球継続を希望しており、「いただいたチャンス。こういうチャンスは多くない。1打席1打席、後悔しないように。ここを逃したら次はない」と、背水の陣で打席に臨んだ。勝利に大きく貢献した神宮球場のバックスクリーンへのホームランは、大きなアピールの材料となりそうだ。
西川選手は、中学時代は熊本東リトルシニア、高校は九州学院で、ヤクルトの村上宗隆内野手(25)の後輩にあたる。同じ左打者である村上選手が中学2年時にグラウンドに姿を見せた際に「練習はウソをつかない」という言葉をかけられた。そこから練習を積み重ね、東都リーグ2部に沈んでいた時も必死のプレーを続けてきた。井上監督も、「意外とリストも柔らかいんですよ。明るいです」と西川選手自身を評価する。8回にはしっかりと犠打を決めるなど、小技もこなす器用さも持ち合わせている。
この日のアーチが西川選手の名刺代わりとなり、社会人野球で活躍する姿につながっていくことを期待したい。


コメント