東都大学野球2部春季リーグ戦は29日、専修大学が東京農業大学を3-1で下し連勝。この結果、専修大学は勝ち点4の9勝5敗で駒澤大学と並び、1部昇格をかけた入れ替え戦出場権を争うプレーオフに進出することが決定した。この試合では、トミー・ジョン手術から復帰した平野大地投手(2年=専大松戸)が自己最速の153キロを計測する力投で試合を作り、リリーフエースの1年生・梅澤翔大投手(1年=専大松戸)もピンチをしのぐ好リリーフ。9回には主将の中野拳志郎捕手(4年=小浜)が決勝打を放ち、投打の活躍で劇的な勝利を掴んだ。
平野大地投手が自己最速153キロ、梅澤翔大投手も圧倒リリーフ
専修大学の先発マウンドには、今春トミー・ジョン手術から復帰した平野大地投手が上がると、復帰後最長となる4イニングを投げ、3安打1失点と先発の役割をしっかりと果たした。この日の平野投手は力強いストレートを軸に、最速は自己新となる153キロを計測(球場表示で157キロと表示される球もあった)、高校時代にドラフト1位候補と注目された強いストレートが復活しており、専修大に勢いをもたらす4回1失点の投球だった。専修大学の斎藤正直監督も「ボールに力があった」と、故障から復活した期待の右腕を評価した。
投手陣は5回からは継投に入り、5回からは4年生左腕の藤田和揮投手が2回をノーヒット2奪三振でパーフェクトに抑えると、7回からは3年の147キロ右腕・伊東賢生投手が登板する。しかし伊東投手が8回裏に1死一、二塁のピンチを背負うと、マウンドにはリリーフエースの1年生・梅澤翔大投手が上がった。梅澤投手は前日も153キロを記録するストレートで1回を圧倒して無失点に抑えていたが、この日は緊迫した場面にも臆することなく、後続をしっかりと打ち取り無失点。9回もマウンドに上がり、相手の反撃を許さず試合を締めくくり、1回1/3をノーヒット2奪三振2四死球で無失点に抑えた。
プレーオフ、1部昇格へ
この日は1-1で迎えた9回1死二塁の緊迫した場面で、専修大の主将・中野拳志郎捕手(4年=小浜)が打席に立つと、相手投手のスライダーを捉えた打球はレフト前へ。これに相手左翼手が後逸する間に二塁走者が生還し、待望の勝ち越し点を奪った。中野選手は「芯で捉えられた。緊張する中で、気迫が勝ったと思います」と話した。チームはさらに2死三塁から広崎漣外野手(2年=浜松開誠館)の左前適時打で貴重な追加点を挙げ、勝利を決定づけた。
平野投手、梅沢投手をはじめとする4投手の総力リレーと主将の決勝打で掴んだ大きな白星に、斎藤正直監督は「我々の方がプレッシャーはあった。苦しい試合だったが、キャプテンを中心によく勝った。苦しみながら勝ったことは大きな自信になる。よく接戦を跳ね返せた」と選手たちの奮闘を称えた。そして、6月6日午前9時から等々力球場で行われる駒澤大学とのプレーオフに向けて、「こんなに幸せなことはないでしょう。楽しみしかないですよ。小さくならずに、持ち味を最大限に発揮して、がっぷり四つで戦います」と意気込みを語った。
このプレーオフの勝者が、1部最下位の日本大学との入れ替え戦に臨む。専大はこの東農大との1回戦に先発し4回5安打1失点の4年生・長島暖和投手に先発を託すのか、それとも153キロ右腕の2年生・平野投手が先発するのか、いずれにしても藤田投手、そして最後の梅澤投手につなげることができれば、1部昇格の切符を掴むことができるだろう。
平野大地投手 プロフィール
- 氏名:平野 大地(ひらの だいち)
- 所属:専修大学(2年)
- 出身高校:専大松戸高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:トミー・ジョン手術から今春復帰。2025年東都大学野球2部春季リーグの東農大戦で復帰後最長の4イニングを投げ、自己最速の153キロを計測し3安打1失点。
梅沢翔大投手 プロフィール
- 氏名:梅沢 翔大(うめざわ しょうた)
- 所属:専修大学(1年)
- 出身高校:専大松戸高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:専修大学の1年生クローザー。2025年東都大学野球2部春季リーグの東農大戦では8回1死一、二塁のピンチで登板し、後続を抑える好リリーフを見せた。自己最速153キロ。



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