東京六大学野球春季フレッシュトーナメントが神宮球場で行われ、慶應義塾大学が法政大学を4-2で下した。この試合では、法政大学の1年生・井上和輝選手(駿台甲府)が本塁打を含む3長打の鮮烈なデビューを飾った。一方、慶應義塾大学では、元プロ野球選手の清原和博氏の次男・清原勝児選手(1年=慶応高)が代打で出場し、父が見守る中で神宮デビューを果たした。
法大の逸材・井上和輝選手が神宮で衝撃のデビュー「プロを目指す」
法政大学の未来を担う大砲候補が、その片鱗を見せつけた。4番を任された井上和輝選手は、第1打席で右中間に二塁打を放つと、続く第2打席では「フォークが甘く入った」という相手投手の失投を逃さず、ライトスタンドへ豪快なホームランを放った。さらに第4打席でもレフトへ二塁打を放ち、この日4打数3安打はすべて長打を広角に打ち、1打点2得点と活躍を見せた。
駿台甲府出身で183cm94kgとその体格とともに、木製バットで打っていたことも注目されていた。また、高校では捕手としてプレーをしていたが、この日はレフトで出場をした。リーグ戦でも既に代打で出場をしており、雰囲気を経験済みで、「大学4年間でプロを目指す選手になりたい」と話す。この日の打撃にも、「チームの勝利が最優先なので、負けたのが一番の心残り」と笑顔は控えめだったが、秋に向けての足がかりは十分に作った。
慶大・清原勝児選手は四球で神宮デビュー「早くあの舞台に」
慶應義塾大学では、ルーキーの清原勝児選手が神宮デビューを果たした。2点リードの8回、2死三塁のチャンスで代打として名前がコールされると、スタンドからは大きな拍手が送られた。快音は聞かれなかったものの、3-1からのボール球を見極め四球を選び、チームプレーに徹して代走と交代した。「後ろに丸田ら良い打者がいるのでつなぐ気持ちでいました」と話し、慶応高校時代に夏の甲子園を制覇した同学年メンバーで、現在は先輩となっている丸田湊斗選手へ繋いだ。
前日まで行われていた伝統の早慶戦はスタンドで応援していたという清原選手。「早くあの舞台に立ちたい。まだ実力不足なので頑張っていきたい」と話し、レギュラーシーズンでの活躍へ意欲を見せた。2021年には、同じ6月2日に、兄の清原正吾選手が慶応大1年で、同じ新人戦で神宮デビューをしており、兄も代打で出場した(結果はライトフライ)。そのことを報道陣から伝え聞くと「僕は出塁したから僕の勝ちですね」と笑顔で返し、大物ぶりをうかがわせた。スタンドでは父・和博氏も見守り、息子の初舞台に熱い視線を送っていた。昨年は兄・正吾さんが慶大の4番として神宮を沸かせたが、今度は弟・勝児選手がスターへの道を歩み始める。
井上和輝選手 プロフィール
- 氏名:井上 和輝(いのうえ かずき)
- 所属:法政大学(1年)
- 出身高校:駿台甲府高校
- ポジション:外野手・捕手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:2025年東京六大学野球春季フレッシュトーナメントの慶大戦で、本塁打を含む3長打(二塁打2本)を記録する鮮烈なデビュー。高校時代から木製バットを使用。大学4年間でのプロ入りを目指す。
清原勝児選手 プロフィール
- 氏名:清原 勝児(きよはら かつじ)
- 所属:慶應義塾大学(1年)
- 出身高校:慶應義塾高校
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:元プロ野球選手・清原和博氏の次男。高校時代に夏の甲子園優勝メンバー。2025年東京六大学野球春季フレッシュトーナメントの法大戦で、8回に代打で神宮デビューし四球を選ぶ。兄・正吾さんも慶應義塾大学OB。


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