東京六大学は早稲田大が優勝、ともに6勝0敗のライバルエース対決は伊藤樹投手は涙の3連覇し毛利海大投手と明暗

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東京六大学野球春季リーグ戦は、早稲田大学が明治大学との2季連続となる優勝決定戦を6-5で制し、3季連続となる優勝を果たした。今季、両校のエースとしてともに6勝0敗と圧巻の成績を残した早大・伊藤樹投手(4年=仙台育英)と明大・毛利海大投手(4年=福岡大大濠)。しかし、雌雄を決する大一番では、伊藤投手が5失点ながらも完投勝利を収め歓喜の涙を流した一方、毛利投手は初回に4失点し5回6失点で降板、悔し涙をのんだ。1年時からリーグを沸かせてきたライバル両腕の軌跡と、最後に明暗が分かれた。

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伊藤樹投手、苦しみながら掴んだ3連覇と通算20勝目「早稲田に来てよかった」

まさにエースの底力だった。5月19日の明大2回戦でノーヒットノーランを達成し、早慶戦でも連投でチームを優勝決定戦に導いた伊藤樹投手。この大一番でも先発のマウンドに上がると、初回に4点の援護をもらったものの、3回に明大打線に捕まり一挙5失点、逆転を許した。「前回対戦で直球とスプリットを多用したので、ちょっとでも意識を変えてくれればという配球だったんですけど中途半端になっていた」と、序盤の苦しい投球を振り返った。しかし、ここから伊藤投手は粘りの投球を見せる。「何回まで投げるとか関係なくギアを上げました」と150キロも記録するなど力で押すと、4回以降は明大打線を無失点に抑え、9回9安打5失点で見事完投勝利を飾った。

今季は開幕戦での打球直撃や、立教大学3回戦でのマメをつぶしての自己ワースト3回8失点など苦しい試合もあった。「本当に前半は苦しかったので」と試合後には涙を見せたが、「優勝まで投げ切れたのは本当に誇りに思う。終わった時に言うことなのかもしれないけど、早稲田に来て、チームでやれてよかった。本当に優勝できてよかった」と喜びを噛み締めた。

この勝利でリーグ通算20勝となるったが、小宮山悟監督も「樹と心中のつもりでいた。負けるもんかという思いが安部球場に充満していました。今日こうして3連覇を成し遂げ、彼らを思い切り褒めたい」と、エースの奮闘を称えた。

「ノーヒットノーランは初めてでした。この先も勝っていかないと優勝はなかったので、自分の記録だけに終わらず、優勝できてよかったなと思います」と語る伊藤投手。「大分しんどいです」と疲労をにじませながらも、「昨年2連覇して日本一になれずっていうところだったので、日本一目指して今年のチームはやってきました。まだ道半ばだと思うので、一戦必勝で頑張りたいなと思います」と、全日本大学野球選手権へ向けて気持ちを切り替えていた。

毛利海大投手、初回4失点に泣く 最優秀防御率&ベストナインも「やっぱり優勝しないと」

一方、明治大学のエース・毛利海大投手にとっては、悔しさの残るマウンドとなった。今季6勝0敗で最多勝、奪三振54で最多奪三振、防御率1.34で最優秀防御率、そしてベストナインに輝くなど、圧巻の投球を続けてきた左腕。しかし、この優勝決定戦では初回に早大打線に捕まりまさかの4失点。5回にも2失点してこの回で降板し、5回6失点でこの春の最後のマウンドを降りた。

試合後、毛利投手は泣き崩れた。「初回の攻防がね。4点は。といって毛利は責められない。選手は粘り強く戦ってくれた」と戸塚俊美監督はエースをかばったが、毛利投手自身は「やっぱり優勝しないとダメです」と唇を噛んだ。それでも、「防御率に最多奪三振、最多勝と個人的には自信になりました」と、個人タイトル獲得には一定の手応えを感じていた。大学4年生、ドラフト候補として迎える秋に、再び毛利投手の素晴らしい投球で今度は最後に笑顔で終われるようにしたい。

早稲田と明治、ライバルに

伊藤樹投手と毛利海大投手、今春のリーグ戦では、ともに6勝0敗(優勝決定戦を除く)という素晴らしい成績を残し、防御率でも毛利投手が1位、伊藤投手が2位(2.44)、奪三振も毛利投手の54に対し、伊藤投手が45と、ともにリーグを代表する成績を残した。

個人タイトルは毛利投手の手に輝いたが、優勝は早稲田大の伊藤投手の元に輝いた。ともにドラフト候補として注目される秋に、再びライバルが投げ合う。

伊藤樹投手 プロフィール

  • 氏名:伊藤 樹(いとう たつき)
  • 生年月日:2003年8月24日
  • 出身地:秋田県
  • 経歴:仙台育英高校 – 早稲田大学(4年)
  • 投打:右投右打
  • 身長・体重:177cm・84kg
  • ポジション:投手
  • 主な特徴や実績:最速152キロのストレートと切れ味鋭いスプリットが武器の右腕。2025年東京六大学野球春季リーグで6勝0敗、防御率2.44を記録し、チームの3季連続49度目の優勝に貢献。優勝決定戦では明治大学相手に9回5失点完投勝利。5月19日の明治大学戦では史上25人目のノーヒットノーランを達成。リーグ通算19勝3敗、防御率1.89。今秋ドラフト上位候補。

毛利海大投手 プロフィール

  • 氏名:毛利 海大(もうり かいと)
  • 所属:明治大学(4年)
  • 出身高校:福岡大大濠高校
  • ポジション:投手
  • 投打:左投左打
  • 主な特徴や実績:2025年東京六大学野球春季リーグで6勝0敗、防御率1.34を記録し、最優秀防御率、ベストナイン、最多勝利(伊藤樹投手とタイ)の個人3冠を獲得。優勝決定戦では早稲田大学相手に先発するも5回6失点で降板し敗戦投手。最速150キロの本格派左腕。
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この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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