第74回全日本大学野球選手権大会が9日に開幕し、東海大学(首都大学)が青森大学(北東北大学)を6-2で下し、6年ぶりの初戦突破を果たした。この試合で、今秋ドラフト候補で主将を務める大塚瑠晏内野手(4年・東海大相模)が、初回に先制2ラン本塁打を放つなど3安打2打点2盗塁の大活躍。大学屈指と評される遊撃守備でもチームを牽引し、視察したプロ球団のスカウトから絶賛の声が相次いだ。
主将・大塚瑠晏選手、全国の舞台で走攻守に躍動!「アグレッシブベースボールを掲げて」
大塚瑠晏選手、「人を魅了する存在に」という両親の願いが込められた「瑠晏」の名を持つ主将が、東京ドームで躍動した。初回1死二塁の場面、追い込まれながらもカットボールを完璧に捉えた打球はライトスタンドへ。自身初出場となる全国の舞台で、名刺代わりの先制2ランとなった。「いろんな人が東京ドームでホームランを打って一周する、その気持ちが分かりました」と、会心の一撃に笑顔を見せた。
勢いは止まらない。3回には一塁強襲の内野安打で出塁するとすかさず二盗を成功。6回には一塁への強いゴロをヘッドスライディングで内野安打とし、再び盗塁を決めた。3安打2盗塁と持ち味を存分に発揮し、「とにかく積極的に。アグレッシブベースボールを掲げてやっている」と、母校・東海大相模時代からのスローガンを体現した。遊撃の守備でも6度の守備機会を軽快にこなし、走攻守三拍子そろった高い能力を見せつけた。
巨人・阪神・DeNA・中日スカウトが絶賛、元Gスカウト部長の監督も太鼓判
大学屈指の遊撃手と評される大塚選手のプレーには、各球団のスカウトも熱視線を送った。
巨人・水野雄仁編成本部長代理:「ミート力もあるし楽しみ。いい選手」
阪神・平塚スカウト:「走攻守に素晴らしい選手。元々、力がある。対応力もあって打席の内容もいい。一歩目の速さ、正確さ、身のこなしもいい」
横浜DeNA・篠原貴行スカウト:「春のリーグ戦からバッティングも良かった。サイズの割にコンタクト能力にたけている。うちのチームでいえば、柴田や林にも負けない守備力がある」
中日・小山スカウト:「高校から守備はよかったし、打撃でもパンチ力がついた。大学生のショートではトップクラス」
また、元巨人スカウト部長で東海大学を率いる長谷川国利監督も、「去年に比べ、ボールをミートする、アジャストする能力がすごく上がった。三振の数が4分の1くらいになった」とその成長を称賛。「守備・走塁の技術、意識、センスという部分では、上のレベルでもレギュラーの位置づけは十分に考えられる選手」と、スカウトの眼で太鼓判を押した。
不運の高校時代を乗り越え…「一日一生」胸に日本一へ
東海大相模時代は主将として3年春のセンバツ優勝を経験したが、自身は急性胃腸炎のため準々決勝以降を欠場。同夏はチーム内に新型コロナウイルスがまん延し、県大会準々決勝で無念の出場辞退となった。高校時代に果たせなかった全国の舞台での活躍には、東海大相模の当時の門馬敬治監督(現創志学園監督)から贈られた「一日一生」という言葉がある。
大学屈指の遊撃守備と評価されていたが、打撃については課題が見えていた。しかし、長打力不足を補うためにソフトバンク・近藤健介選手のフォームを参考にするなど、打撃面でも進化を遂げた。
プロ志望を公言する大塚選手は、「アピールの場。勝ち上がることが一番」と力を込める。「最終的な目標は優勝なので次も一戦必勝で」と、まずはチームを5度目の日本一へ導くことに全力を注ぐ。
大塚瑠晏選手 プロフィール
- 氏名:大塚 瑠晏(おおつか るあん)
- 生年月日:2003年10月26日
- 出身地:栃木市
- 経歴:あわのスポーツ(栃木南小1年) – 小山ボーイズ(栃木南中) – 東海大相模高校 – 東海大学(4年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:170cm・74kg
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:大学屈指の遊撃守備と俊足、パンチ力を兼ね備える今秋ドラフト候補。2025年全日本大学野球選手権1回戦の青森大戦で先制2ランを含む3安打2盗塁と活躍。巨人、阪神、DeNA、中日など複数球団のスカウトから高い評価を受ける。東海大相模高校3年春に主将としてセンバツ優勝。大学では2年春からベンチ入りし、リーグ通算3本塁打。






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