第74回全日本大学野球選手権大会では、近畿大学(関西学生)が神奈川大学(神奈川)を8-0の7回コールドで下し、2大会連続で初戦を突破した。この試合では、近畿大のプロ注目トリオが爆発し、主将を務める勝田成(かつだ なる)内野手(4年・関大北陽)が3打数3安打2得点と大活躍を見せた。この日は12球団のスカウトが視察をしており、阪神は6人態勢で勝田選手を視察した。
身長163cmの小兵が大暴れ、広角打法で3安打&好走塁
「どんな球でも打てるところが成長できた」と胸を張る主将が、全国の大舞台で躍動した。「2番・二塁」で先発出場した勝田成選手は、初回1死から流し打ちでレフト前へ運ぶと、2回の第2打席ではセンター前、4回の第3打席ではライト前へと、全方向に打ち分ける3安打猛打賞を記録。「打つべきポイントを広くすることで広角に打てるようになった」とその技術の高さを証明した。
4回には三塁走者として、二塁ゴロの間に本塁へ突入。頭から滑り込む好走塁でタッチをかいくぐり、チームの7点目のホームを踏んだ。身長163cmと小柄ながら、NPB最小兵の西武・滝沢選手より1センチ小さい体でグラウンドを駆け回り、ひときわ大きな存在感を放った。
勝田選手の活躍に触発されるように、同じくプロ注目の3番・野間翔一郎外野手(4年=大阪桐蔭)が2安打2打点、4番・阪上翔也外野手(4年=神戸国際大付)が走者一掃の三塁打を含む4打点を記録。プロ注目トリオが揃って結果を出し、チームを7回コールド勝ちという最高の形でスタートさせた。
巨人「非常にバランスがいい」阪神「総合的に能力が高い」DeNA「プロで戦力に」スカウト絶賛の嵐
昨年の侍ジャパン大学代表選出時に、侍ジャパンの井端弘和監督から「すごく野球をよく分かっている」と絶賛された勝田選手。そのプレーには、この日ネット裏に集結したNPB12球団のスカウト陣も釘付けになった。
巨人・水野雄仁編成本部長代理:「非常にバランスがいい。サイズはないけど目立っていた」
阪神・岡本スカウト:「全国の舞台でも変わらずに躍動していた。全国でも結果を出して、走攻守で総合的に能力が高い。いい走塁もあったし、野球をよく知っている。期待しています」
横浜DeNA・河原スカウト:「広角にヒットを打てるし、走塁のセンスもいい。プロで戦力になれる選手」
この日は打撃と走塁の評価が聞かれ、プロで戦力になると評価された。
この野球センスの原点は、大淀ボーイズに所属していた中学3年時、全国大会決勝の舞台となった東京ドームで失策を犯した。「次も飛んでこい」。そう強く思った直後、同じようなゴロが飛んできた。今度は冷静に併殺を完成させ、中学日本一に輝いた。「あのワンプレーが僕のターニングポイント。なぜか心が冷静だった。あの落ち着きが僕の守備につながっている」と、7年前の経験が今もなおプレーの礎となっている。
主将として「楽しもう」とチームをまとめ、全国の初戦に臨んだ勝田選手。今年は近畿大学創立100周年のメモリアルイヤーで「ふがいない成績だとダメだと思っている。優勝してふさわしい結果で終わりたい」と、27年ぶりの日本一へ向けて意気込む。「アピールしていい結果につながれば」と、自身のドラフト指名へも意欲を見せた。
勝田成選手 プロフィール
- 氏名:勝田 成(かつだ なる)
- 生年月日:2003年6月21日
- 出身地:大阪市
- 経歴:都島タイガース(2歳~、堀川小1年~) – 大淀ボーイズ(北稜中) – 関大北陽高校 – 近畿大学(4年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:163cm・72kg
- ポジション:二塁手
- 主な特徴や実績:2025年関西学生野球春季リーグでMVPなど個人4冠。3年夏に大学日本代表選出。侍ジャパン・井端弘和監督から野球センスを絶賛される。2025年全日本大学野球選手権1回戦で3安打を放ち、阪神・巨人・DeNAなど12球団のスカウトから高評価を受ける。堅実な守備と俊足も武器。50メートル走6秒1。







コメント