第74回全日本大学野球選手権大会、中京大学(愛知大学)が久留米工業大学(九州地区大学)を7-0の8回コールドで下し、2年連続で初戦を突破した。プロ注目の中京大3番・秋山俊外野手(4年=仙台育英)が右翼席中段への特大ソロ本塁打を含む3安打2打点の活躍を見せ。大学日本代表候補にも名を連ねる逸材が、視察した中日などのスカウト陣にその実力を見せつけた。
「初球からフルスイング」持ち味発揮の特大弾&猛打賞
「組み合わせを見たときから楽しみで、興奮した」という初の東京ドームで、秋山俊選手が躍動した。1-0で迎えた3回2死、甘く入ったスライダーを完璧に捉えた打球は、ライトスタンド中段へ突き刺さるソロ本塁打となった。「打った瞬間にいったかな」という会心の一撃に、「初球からフルスイングできることが僕の持ち味。本塁打という最高の結果が出て良かった」と笑顔を見せた。
その後も秋山選手のバットは止まらない。5回の第3打席では左中間フェンス直撃の適時二塁打、8回の第4打席ではコールド勝ちへの足がかりとなるセンター前ヒットを放ち、猛打賞を記録。初回の四球も合わせて全4打席で出塁し、チームの勝利に大きく貢献した。
中日・清水スカウト「打てる外野手として評価は上げた」
今春の愛知大学リーグで4本塁打を放ち本塁打王に輝いた左の強打者には、プロのスカウトも熱い視線を送っている。この日の活躍に、中日の清水スカウトは高い評価を与えた。
中日・清水スカウト:「芯でとらえられているし、コンタクト率が高い。打てる外野手としての評価は上げたと思う」
体のサイズもあり左の強打者としては仙台育英時代から注目をされており、アベレージも残せる可能性を示したことで、プロのスカウトも、打撃では安心して推せる選手となったに違いない。ただし、相手がプロ注目級の投手のときにどのような打撃をするのかが注目される。
秋山選手には昨年の悔しい経験があった。8強入りした昨年のこの大会だが、準々決勝で優勝した青山学院大学と対戦し、「スイングを見て、自分に足りない部分だと思った」と、当時相手チームにいた佐々木泰選手(現広島)や西川史礁選手(現ロッテ)の打撃に衝撃を受けたという。その差を埋めるべく、「強さを求めて」この冬はウエートトレーニングに注力。「ウェートで扱う重量も増えたし、頻度も増やした。それがこの試合で出たかなと思う」と、1年越しの成果を全国の舞台で証明した。
プロ注目エースは登板せず
チームの顔は、エースで主将のプロ注目右腕・高木快大投手(4年=栄徳)だが、「中京と言えば高木のイメージができているので、負けていられない。自分も活躍していけばチームももっと強くなる」と、良きライバルとして高め合う。7月に行われる日米大学野球選手権の代表入りも目指しており、「地元で試合をするのは思い出になるし、あこがれの球場なので何とか代表入りしてプレーしたい」と、地元北海道のエスコンフィールドでも行なわれる日米大学野球でのプレーを強く希望している。
この日は高木投手は登板せず、チームでは高木投手と2枚看板となっている2年生の148キロ右腕・伊藤幹太投手が登板し、6回を投げて5安打無失点に抑える好投を見せた。秋山選手は、「去年に悔しさを味わってから本気で日本一を目指してきた」と話し、まずはチームを55年ぶりの頂点へ導くため、次戦もそのバットで勝利を呼び込む。
秋山俊選手 プロフィール
- 氏名:秋山 俊(あきやま しゅん)
- 所属:中京大学(4年)
- 出身高校:仙台育英高校
- 出身地:北海道
- ポジション:外野手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:大学日本代表候補にも選ばれるプロ注目の左の強打者。2025年全日本大学野球選手権1回戦の久留米工大戦でソロ本塁打を含む3安打2打点と活躍。中日ドラゴンズの清水スカウトから高い評価を受ける。今春の愛知大学リーグでは4本塁打で本塁打王。昨夏の大学日本代表。







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