第74回全日本大学野球選手権大会では、東北福祉大学(仙台六大学)が九州産業大学(福岡六大学)を4-2で下し、6年ぶりの初戦突破を決めた。先発したプロ注目のエース・櫻井頼之介投手(4年=聖カタリナ学園)が7回2/3を投げ、121球の熱投で2失点に抑える好投を見せ、視察したオリックスの福良淳一GM兼チーム編成部長が高く評価した。
エース桜井頼之介投手、121球の熱投!「イニングを重ねるごとに自分らしい投球ができた」
37度目の出場だが、3年ぶりの登場となった東北福祉大学は、エース・櫻井頼之介投手がその実力を見せつけた。173cm66kgと体のサイズは小柄ながら、その右腕から繰り出す最速151キロのストレートと多彩な変化球で九州産業大学打線を翻弄、4回に本塁打で1点を失ったものの、8回途中まで6安打9奪三振2失点と試合を作った。
「大学では初の全国でふわふわした感覚をありましたが、イニングを重ねるごとに自分らしい投球ができました」と振り返った櫻井投手。ウエートトレーニングはほとんどせず、「ボックスジャンプや三段跳びなどのトレーニングで体の瞬発力・連動性を高めてきた」という独自の調整法で、高校時代の最速146キロから151キロまで球速を伸ばした。その成果を全国の舞台で存分に発揮した。
オリックス・福良GMが絶賛「右打者への内角もしっかり放れていて、良いピッチャー」
大会屈指の好投手として注目される櫻井投手のピッチングには、プロのスカウトも熱い視線を送っていた。この日視察したオリックスの福良淳一GM兼チーム編成部長も視察し、
オリックス・福良淳一GM兼チーム編成部長:「右打者への内角もしっかり放れていて、良いピッチャーです」
と評価した。
オリックスは2021年に東北福祉大の椋木蓮投手をドラフト1位で指名しており、他にも同じ2021年の育成で大里昂生選手、2022年には4位で杉澤龍選手、育成で入山海斗投手と、スカウトがかなり食い込んでいる印象がある。またチームでは宮城大弥投手や山岡泰輔投手など、比較的小柄な投手も実績が十分あり、櫻井投手がオリックスのユニフォームを着る姿はかなりイメージができる。
垪和選手の満塁弾が援護!「勝って当たり前」と次戦へ
この日の試合では、打線もエースの好投に応えた。0-0で迎えた3回2死満塁のチャンスで、垪和拓海内野手(4年=智弁学園)がレフトスタンドへ先制の満塁本塁打を叩き込んだ。公式戦初という一発に、垪和選手は「思い切っていこうと思った結果だったので最高です」と笑顔を見せた。またリリーフでは、今年の注目候補・堀越啓太投手は登板しなかったが、来年のドラフト候補として注目される猪俣駿太投手が9回に登板し、151キロの速球で3人で抑えた。
大きな援護を受けた櫻井投手は、「勝って当たり前。これからは1点勝負になると思うので、点を取られないようにしたい」と、7年ぶりの日本一へ向けて気を引き締めた。次戦は昨年4強の東日本国際大学と東北対決に臨む。
桜井頼之介投手 プロフィール
- 氏名:桜井 頼之介(さくらい よりのすけ)
- 所属:東北福祉大学(4年)
- 出身高校:聖カタリナ学園高校
- ポジション:投手
- 投打:右投(打席は調査中)
- 身長・体重:173cm・66kg
- 主な特徴や実績:最速151キロのストレートとキレのあるスライダー、スプリットが武器の右腕。2025年全日本大学野球選手権1回戦の九産大戦で先発し、7回2/3を投げ2失点9奪三振の好投で勝利に貢献。オリックスの福良淳一GMから高い評価を受ける。仙台六大学リーグでは通算14勝。ウエートトレーニングをあまり行わず、身体の瞬発力や連動性を高めるトレーニングを重視する。



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