第74回全日本大学野球選手権大会では福井工業大学が登場し、大産大を3-0で下し、準優勝した2021年以来4年ぶりのベスト8進出を決めた。この試合で、昨年は外野手として出場していた最速152キロ右腕・向嶋大輔投手(3年)が7回からリリーフ登板し、2回を1安打無失点に抑える好投で、5投手による完封リレーに貢献、投手としてプロ入りを目指す決意を示した。
昨年は野手、今年は投手!15球の熱投で8強入りに貢献
向嶋大輔投手は福井工大福井高校時に、最速147キロを投げる投手ととして、また高校通算23本塁打の強打から「二刀流」として注目された。しかし主に野手でプロでプレーすることを目指してプロ志望届を提出したものの、ドラフトでは指名漏れを経験した。
福井工業大学に進学後も、元広島で代打本塁打のセ・リーグ記録を持つ町田公二郎監督の下、入学当初は打者としてもプレーしていた。しかし、昨秋から主に投手として起用されるようになると、最速152キロを記録するまで成長し、今春リーグ戦からは投手に専念している。
この日は3-0とリードした7回、4番手として登板すると、この日最速となる145キロのストレートとフォークを軸に大産大打線を翻弄。15球を投げて2イニングを1安打無失点に抑え、チームの勝利に大きく貢献した。「主将が、相手とケンカするぐらいの気持ちで熱く戦おうと試合に言った言葉が響いて、僕も熱く相手に向かっていくことができました。熱い気持ちを持って、いつも通り相手に向かっていけたかなと思います」と、マウンド度胸の良さを見せつけた。
元広島ドラ1・沢崎コーチも称賛「真っすぐ、フォークが良い」
投手としての成長の裏には、元広島のドラフト1位でプロ通算24勝を挙げた沢崎俊和投手コーチの存在がある。マンツーマン指導で下半身の使い方などを学び、その才能が開花した。この日の投球に沢崎俊和投手コーチは、「真っすぐ、フォークが良い。気持ちの強さがある」と話し、好投に目を細めた。
「高校では野手としてプロを目指したけど、今度は投手として。一番はチームの勝利のために貢献し、その中で評価してもらえればうれしい」と話し、来秋のドラフトへ向けて投手として新たな挑戦を続ける。
まずは今大会、チームは2021年大会決勝で慶應義塾大学に大敗しており、それを晴らすべく初の日本一を目指すチームで、向嶋投手の右腕が熱く燃えている。
向嶋大輔投手 プロフィール
- 氏名:向嶋 大輔(むこうじま だいすけ)
- 生年月日:2004年8月24日
- 出身地:福井市
- 経歴:みのりファイターズ(小2) – 福井工業大学附属福井高校 – 福井工業大学(3年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:177cm・79kg
- ポジション:投手(外野手)
- 主な特徴や実績:最速152キロのストレートとフォークが武器の右腕。2025年全日本大学野球選手権2回戦の大産大戦でリリーフ登板し、2回1安打無失点の好投で8強入りに貢献。昨年は外野手として同大会に出場。福井工大福井高校時代は二刀流として活躍し、野手としてプロ志望届を提出するも指名漏れ。大学では投手に専念し、来秋ドラフトでのプロ入りを目指す。50メートル走5秒8、遠投115メートル。



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