第74回全日本大学野球選手権大会では、東北福祉大学(仙台六大学)が東日本国際大学(南東北)を4-0で下し、6年ぶりのベスト8進出を決めた。今秋ドラフト1位候補で、非公式ながら最速164キロを誇る剛腕・堀越啓太投手(4年=花咲徳栄)が今大会初登板初先発。6回を5安打10奪三振無失点の投球を披露し、球場の球速表示では154キロ、ネット裏に集結したスカウトの計測では156キロを記録した。
圧巻の156キロ!初回から150キロ超連発で10奪三振
「0で抑えたのは本当に良かったんですけど、まだまだ成長できる内容でした」。試合後、堀越啓太投手は謙虚に自身の投球を振り返ったが、その内容は圧巻の一言だった。当日の午前11時に先発を告げられたというが、マウンドに上がると初回先頭打者への初球から8球連続で150キロ超えを記録。球場表示で154キロ、ネット裏のスカウトのガンでは156キロを計測した。
それでも初回は制球が定まらずに球が高めに浮き、四球などで1死一、三塁のピンチを招いた。それでも2者連続三振で切り抜けると、その後も6回を投げて5安打を許したものの、やや力の抜けたフォームからは148キロ前後の伸びのある球も見せれるようにになり、四死球も3つだった。フォーク、スライダーのキレも良く、6回を投げて毎回の10奪三振。112球と球数は多くなったものの、相手に得点を許さなかった。花咲徳栄時代の恩師、岩井隆監督がスタンドから見守る中、「荒々しくいけ」という助言通り、力強いピッチングでチームを6年ぶりの8強へと導いた。
阪神10人態勢、東京ヤクルトGMの「まだまだ速くなる」と絶賛
この日は午後7時45分から試合が始まり、すでに3試合を見ているスカウトだったが、疲れも吹っ飛ぶような堀越投手の投球だったに違いない。阪神は10人態勢で視察するなど日米のスカウトが注目すし、大きな盛り上がりを見せた。阪神と東京ヤクルトは、
阪神・葛西稔スカウト:「スケール感がある。変化球も決まっているものはプロでも使えるレベル」
東京ヤクルト・小川淳司GM:「スピードボールが魅力。まだまだ速くなると思う」
と素材を評価、今後、更に成長すると評価した。この試合が終わったのは22時15分頃だったが、阪神は竹内球団副本部長らも最後まで残り、熱心に視察を続けた。
非公式164キロのポテンシャル「実戦でも160キロを」
堀越投手のポテンシャルは計り知れない。昨年末、茨城県内のトレーニング施設でスピードガンで最速164キロを計測し、一躍注目度が高まった。「プロが目標です。実戦でも160キロを出したい」と公言する通り、その目標に向かって進化を続けている。
1年春の同大会で154キロをマークし話題を呼んだ当時は、「若くて、勢いだけで投げていました」と振り返るが、「今日は変化球や打者への投げ分けなど、1つ大人になりました」と自身の成長を実感している。「日本一を目指してきたので、そこを取るだけです」と、7年ぶりの全国制覇へ向けて力強く語った。
この日のなかでも、中盤に球の伸びを見せるようになり、またワンランクステージを上がったような感覚がある。本格的に大化けした時にどのような投手になるのか。埼玉西武の平良投手のようなイメージで更に伸びてゆきそうだ。
堀越啓太投手 プロフィール
- 氏名:堀越 啓太(ほりこし けいた)
- 所属:東北福祉大学(4年)
- 出身高校:花咲徳栄高校
- ポジション:投手
- 投打:右投(打席は調査中)
- 主な特徴や実績:非公式ながら最速164キロ、公式戦でも最速157キロを誇る今秋ドラフト1位候補の剛腕。2025年全日本大学野球選手権2回戦の東日本国際大戦で先発し、6回5安打10奪三振無失点。スカウト計測で最速156キロを記録。阪神、ヤクルトなど日米プロ球団から高い評価を受ける。花咲徳栄高校出身で、岩井隆監督から指導を受ける。「実戦で160キロ」を目標に掲げる。






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