第74回全日本大学野球選手権大会は準々決勝が行われ、中京大学は福井工業大学に敗れ、ベスト4進出はならなかった。この試合で、2年生右腕の磯部祐吉投手(享栄)が今大会初先発し、7回1/3を2失点と力投。チームを勝利に導くことはできなかったが、2027年のドラフト候補として大きくアピールをする大会となった。
2年生右腕が力投も打線の援護なく
エース・高木快大投手のコンディション不良などもあり、この日、今大会初先発をした2年生右腕・磯部祐吉投手が力投を見せた。近畿大戦で153キロを記録したストレートを中心に速球で相手打線を押し込むと、1-0とリードして迎えた4回には1死三塁のピンチを招いたが、後続を打ち取り無失点に抑えるなど、気迫もこもったピッチングで、7回までわずか1安打に抑える投球を見せていた。
しかし8回、先頭打者にこの日2本目のヒットを許すと、送りバントと四球で1アウト一、二塁とされ、その後安打で満塁となったところで降板した。近畿大戦でリリーフとして力のある投球を見せていた沢田涼太投手(4年)がリリーフしたものの、犠牲フライで同点とされると、四球で再び満塁となり、内野安打で勝ち越し点を与えた。
中京大は磯部投手、沢田投手、そして近畿大戦で先発して7回3安打8奪三振無失点の投球を見せた大矢琉晟投手など、エースを欠いても非常にレベルの高い投手陣が力を見せた。ベスト8で神宮を去ることになるが、全国の強豪の一つとしてインパクトを残したチームだった。
オリックス・東松快征投手の存在が成長の糧「東松がいたから成長できた」
大学2年の磯部投手、成長の裏には強力なライバルの存在がある。享栄高校時代、同学年には東松快征投手(2023年オリックス・ドラフト3位)がおり、磯部投手は控え投手に甘んじていた。エースがプロへの階段を登る中、その悔しさをバネに大学で着実に成長。近畿大学との2回戦では、自己最速を3キロ更新する153キロを計測するなど、大きな進化を見せている。
「東松がいたから成長できた」と、ライバルへの感謝の思いを胸に、これからも成長を続け、2027年のドラフト会議では東松投手の3位指名を上回る順位でプロ入りし、プロの舞台で対戦することになりそうだ。
磯部祐吉投手 プロフィール
- 氏名:磯部 祐吉
- 所属:中京大学(2年)
- 出身高校:享栄高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:最速153キロを誇る2年生右腕。2025年全日本大学野球選手権準々決勝の福井工大戦で今大会初先発し、7回1/3を2失点と力投。同大会2回戦の近大戦で自己最速を更新。享栄高校時代はオリックス・東松快征投手と同期。

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