第74回全日本大学野球選手権大会は13日、準々決勝が行われ、史上初の3連覇を狙う青山学院大学は、今秋ドラフト候補の小田康一郎内野手(4年・中京)が7回にダメ押しの2ラン本塁打を放つなどチームの勝利に大きく貢献し、北海学園大学を5-0で下してベスト4進出を決めた。
巧みな配球読みと修正力、神宮初の逆方向弾
「どれだけチームを勝たせる打撃ができるかをリーグ戦から考えてきた」。その言葉を体現する一発だった。3-0とリードして迎えた7回1死一塁、2球で追い込まれた小田康一郎選手だったが冷静だった。「初球の真っすぐが低めの良いところに来て、これ以上はないかなと。次のカーブは良い高さだと思ったのでわざとフルスイングで空振りして、あとは真っすぐが来てくれと」と、狙い通りに来た3球目の外角149キロのストレートを強振。打球はレフトスタンドへ飛び込むダメ押しの2ラン本塁打となった。見事に相手バッテリーとの心理戦に勝利した一発だった。
逆方向への当たりということでも素晴らしい一発だった。前日12日の初戦では、「引っ張り気味でタイミングがつかめていなかった」という反省から、「センターから逆方向へアプローチしていこうかなと」と修正。その結果、「神宮では初めて」という逆方向への一発に繋がった。この日は4回先頭の第2打席でも、先制点を呼び込む左中間への二塁打を放っており、「打てて最高の気分。こんな感じなんだと思った。とにかくうれしい、最高でした」と、会心の打撃に笑顔を見せた。
ドラフト指名の先輩に激
試合後には、1学年先輩で昨年までチームメイトだった千葉ロッテの西川史礁外野手とのユニークなやり取りも明かした。「西川さん、凄く暇みたいで。昨日の試合後、自分に、もっと打てと言ってくるんです」と話したことを明かした。そして、「お前も打てよと返そうかな」と笑った。
今春のリーグ戦では3本塁打、11打点と二冠に輝きながらも、打率が.277にとどまり、「3冠王を目指していたけど獲れなかったん」と悔しがった。それでも、「今回は短期間ですが、狙います」と、2試合を終えて打率.333、1本塁打、3打点、この全国大会でのタイトル獲得へ意欲を見せる。
小田康一郎選手 プロフィール
- 氏名:小田 康一郎(おだ こういちろう)
- 生年月日:2003年8月15日
- 出身地:東京都八王子市
- 経歴:八王子リトル(5歳~) – 八王子シニア(四谷中) – 中京高校 – 青山学院大学(4年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:173cm・85kg
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:今秋ドラフト候補の左の強打者。2025年全日本大学野球選手権準々決勝の北海学園大戦で、神宮初となる逆方向への2ラン本塁打を放つ。今春の東都大学リーグでは3本塁打、11打点で二冠。中京高校1年夏に甲子園4強。青山学院大学では1年春からリーグ戦デビュー。50メートル走6秒2、遠投100メートル。


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