第74回全日本大学野球選手権で東北福祉大学を日本一に導いたエース・櫻井頼之介投手（4年=聖カタリナ学園）について、「今秋のドラフトでは1位指名されてもおかしくない」との評価が高まっている。
魂の連投完投で7年ぶりV「自分の役割はチームを勝たせること」
櫻井頼之介投手は大学野球選手権の終盤戦に厳しい日程の中で、準決勝の青山学院戦からの連投となった決勝戦で完投した。「疲労がたまってしんどい投球になったが、応援やベンチのみんなが声をかけてくれて、何とか投げ切れた」と話し、チームを日本一に導く魂のこもった118球、7安打1失点、7奪三振の完投勝利だった。
そしてこの決勝戦の9回に、この日最速の150キロを計測するなど、抜群のスタミナもみせ、「自分の役割はチームを勝たせること。それだけを意識した」と歓喜の輪の中心で胴上げ投手となった。
セ・リーグスカウト絶賛「センスもある」評価は堀越を上回った
174cm66kgと体は大きくない。それでも最速151キロのストレートと精度の高いスライダーを武器に快投を続けた櫻井投手、その投球に、スカウト陣の評価も急上昇している。あるセ・リーグのスカウトは、その能力について、「速球のアベレージは147、8キロ。スピードがあるうえ、コントロールもいい。武器であるスライダーの精度も高い。フォームもいいし、センスもある。打者に対する初球、無造作にカウントを取りにいって打たれるところはあるけれども、今後の活躍次第で今秋のドラフトでは1位指名されてもおかしくない。」と評価した。
東北福祉大では157キロ右腕の堀越啓太投手が当初から注目されていたが、この春は櫻井投手がエースとして圧倒的なピッチングを残し、セ・リーグスカウトも「東北福祉大では同じ4年の堀越啓太が常時150キロを投げてメジャー球団からも注目されていたものの、なにしろ制球がままならない。今年の春から立場は逆転、エースになった桜井の評価が堀越を上回った」と評価する。
これまで183cm86kgのチームメイトの堀越投手の陰に隠れる形だったが、この全国の舞台で評価は完全に逆転。青学大の中西聖輝投手、亜大の齊藤汰直投手、山城京平投手、早大の伊藤樹投手など、今年のドラフト1位候補の大学生投手と肩を並べる存在となった。
進路について「プロ一本」と明言する櫻井投手、173cmの小さなエースは「自分の名前の通り、頼られる選手になっていきたい」と話し、まずは今週末の侍ジャパン大学代表選考合宿でも結果を残して、日米大学野球でもエースとして活躍することを目指す。
春のリーグ戦、大学野球選手権を制し、日米大学野球、秋のリーグ戦、そしてドラフト会議と明治神宮大会へ、小さな大エースとなった櫻井投手の舞台は続いていく。
櫻井頼之介投手 プロフィール
- 氏名：櫻井頼之介（さくらい よりのすけ）
- 生年月日：2003年7月21日
- 出身地：兵庫県尼崎市
- 経歴：難波ホークス（小1） – 尼崎中央中学校（尼崎ボーイズ） – 聖カタリナ学園高校 – 東北福祉大学（4年）
- 投打：右投右打
- 身長・体重：174cm・66kg
- ポジション：投手
- 主な特徴や実績：2025年全日本大学野球選手権で最優秀投手賞を受賞し、チームを7年ぶりの日本一に導く。決勝では連投ながら1失点完投勝利。今秋ドラフト1位候補に急浮上した最速151キロ右腕。セ・リーグスカウトから「センスもある」「堀越の評価を上回った」と絶賛される。進路は「プロ一本」を公言。
コメント