最速155キロの速球にこの秋にその評価が急上昇している花園大の
京滋大学リーグで、プロ注目の花園大学・藤原聡大投手が大谷大との3回戦に中1日で先発登板し、5回10奪三振無失点の好投でチームを12-0のコールド勝利に導いた。前日の敗戦を受け自ら登板を志願したエースが、圧巻の投球でチームの精神的支柱であることを証明した。
志願の中1日マウンドで圧巻投球
前日9日の試合でサヨナラ負けを喫し、スタンドからその状況を見つめていた花園大学の最速155キロ右腕・藤原聡大投手(4年)。その悔しさを胸に、「チームを勝たせるために、自分に行かせてください」と奥本保昭監督に中1日での先発登板を志願した。
9月8日の大谷大との1回戦先発し、5回ノーヒット10奪三振という快投を見せてから中一日、疲労が残る中での登板だったが、藤原投手は再び圧倒的な投球を見せた。この日の最速は150キロ、5回を投げて被安打2で無失点と相手打線を完璧に封じ込めたが、特に圧巻だったのは3回1死二塁のピンチの場面。後続を2者連続の3球三振に斬って取ると、力強く雄たけびを上げた。
このエースの力投に打線も奮起し、4回に先制すると6回までに12得点を奪い、チームを7回コールド勝ちへと導いた。
驚異の奪三振率、プロ9球団が熱視線
この日はスカウトの姿はなかったが、2試合連続の2桁奪三振を記録し、今秋季リーグでは3試合に登板し、合計17イニングで26個の三振を奪い、奪三振率は驚異の13.76をマークしている。1回戦には巨人、阪神、東京ヤクルトなど9球団が視察し、首脳クラスが訪れるなどその評価は急上昇している。
しかし、本人はこの日の結果に満足していない。「四球が2つあった。無駄な走者を出したことがピンチにつながったと思う」と冷静に課題を口にし、さらなる高みを目指す姿勢を崩さなかった。
吉田松陰に学ぶ「覚悟」
藤原投手は、2年夏に右肘の炎症を経験したことをきっかけに、「メンタルがしっかりしていないとチームにいい影響を与えられない」と考え方が変わり、それ以来、毎晩寝る前に幕末の思想家・吉田松陰の名言を集めた「覚悟の磨き方」を2ページ読むことを習慣にしているという。読書を通じて精神面を磨き、今やチームに欠かせない精神的な支柱へと成長した。
奥本監督も「藤原1人のチームじゃない。全体的なレベルを上げていかないと勝ちあがっていけないと話している」と語り、エースの存在がチーム全体のレベルアップを促していることを示唆した。プロ注目右腕は、自らの投球で、そしてその姿勢で、チームを同大学初の秋季リーグ優勝へと導く。
プロフィール
- 氏名:藤原 聡大(ふじわら そうた)
- 所属:花園大学 4年
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速155キロを誇るプロ注目の本格派右腕。「ドクターK」の異名を持つ。2025年秋季リーグでは3試合17イニングで26奪三振(奪三振率13.76)を記録。中1日での先発もこなすタフネスさも併せ持つ。愛読書は「覚悟の磨き方」(吉田松陰)。






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