東都大学野球秋季リーグでは、中央大が亜細亜大に連勝し勝ち点1を獲得した。ドラフト上位候補の最速152キロ左腕・岩城颯空投手が自身の22歳の誕生日に3番手で登板。4回1安打無失点6奪三振の快投で今季初勝利を挙げ、視察した11球団のスカウトに猛アピールした。
バースデー登板で流れ呼ぶ4回無失点6K
最高の形で自らの誕生日を祝った。2-2の同点で迎えた6回、岩城颯空投手は応援席からのバースデーソングに送られてマウンドへ。「経験できないことなので新鮮でした」と語る左腕は、その期待に応える圧巻の投球を披露した。
「自分のピッチングで流れをもってこられるようにしたい」との言葉通り、立ち上がりから2者連続三振を奪うと、前日に記録した自己最速タイの152キロをこの日もマーク。その後も力強いストレートを軸に4イニングを1安打無失点、6奪三振と完璧に抑え込んだ。この快投が流れを呼び、直後の7回にチームは3点を勝ち越し。岩城投手は今季初勝利、リーグ戦通算9勝目を手にした。
千葉ロッテ、福岡ソフトバンクなど11球団が高評価
連日の快投に、スタンドに集結したプロ11球団のスカウト陣の評価もさらに高まった。
千葉ロッテ・福沢スカウト:「直球もいいが、スライダーも魅力的。先発もできると思う」
福岡ソフトバンク・福元スカウト:「真っすぐは今でも通用するレベル」
とにかく、今、東都リーグで一番良い投手だと思う。ストレートは152キロの球速だけでなく、フォームでも体重がグッと乗り、バットを押し込むような重さがある。この日は亜細亜大の山城京平投手が先発しており、150キロ前後の球を投げていたが、それよりも良く見えたのは間違いないだろう。ちなみに山城投手は6回を投げて4安打2奪三振5四死球と安定せず、5失点でマウンドを降りた。
チーム一丸で掴んだ勝ち点1
この日は、同じ北陸出身で「入寮したときからかわいがってくれた」という1年生の代打・前川竜我選手が決勝の3点三塁打を放ち、先輩のバースデー勝利に花を添えた。清水達也監督も「春先は体調を崩したりしていたが、岩城はいいピッチャーになったなあと思った」と、ラストシーズンでの成長に目を細めた。
前日の試合では三奈木亜星投手との完封リレーを見せるなど、投手陣の柱として覚悟は十分。「個人的にはプロに行くのが目標。そのためにも優勝したい」。頼れる左腕が、チームを日本一へと導く。
今の時点では、大学生のサウスポーならば岩城投手を指名する、そう思っているスカウトも多いだろう。ドラフト会議では、一時的な好調を評価する事もあれば、これまでの投球も含めてトータルで評価をする事もある。ただし共通するのは成長が見られるか、これからも成長が見込めるかで、山城投手や明治大の毛利海大投手などと比較し、岩城投手は180cm88kgという体のサイズでも、伸びしろありと評価されるのではないかと思う。ドラフト2位までの24人には間違いなく入ってきそうで、ドラフト1位の12人も考えられる所まできている。
岩城 颯空 プロフィール
- 氏名:岩城 颯空(いわき はくあ)
- 所属:中央大学 4年
- 出身:富山商業高校
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:181cm・95kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト上位候補。最速152キロを誇る大型左腕。威力のあるストレートと鋭いスライダーが武器。自身の誕生日に4回無失点の好リリーフで今季初勝利を挙げた。















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