関西六大学野球秋季リーグでは、プロ注目の京都産業大の最速153キロ右腕・田村剛平投手(4年=報徳学園)が、大阪経済大との3回戦に先発。阪神の畑山統括スカウトら編成幹部が見守る中、3回6失点とまさかのKOを喫した。チームも敗れ勝ち点を落とし、自身の連続試合完投も6でストップした。
中4日で暗転、3回に悪夢の6失点
1回戦で124球の熱投で完封勝利を飾ってから中4日。優勝へ向けた大事なマウンドで、田村剛平投手がまさかの乱調だった。2回まで無失点に抑えたものの、3回に突如制球を乱し、6本の安打を集中され一挙6失点。この回限りでマウンドを降りた。
これにより、今春から続いていた連続試合完投記録は6でストップ。チームも勝点を落とした。「僕のせいで負けてしまった。前回登板と違いがあったわけではなかったけど、流れを止めることができなかったです」と、エースは責任を一身に背負った。
阪神編成幹部が見守るも…痛恨のアピール失敗
この日は、田村投手などをチェックするために阪神の畑山俊二統括スカウトをはじめ、複数球団が編成の幹部クラスが視察に訪れるなど、高い注目が集まっていた。しかし、その目の前で本領を発揮することができず、ドラフト会議へ向けて痛いアピール失敗となった。
田村投手は報徳学園では控え投手だったが京都産業大に進学し153キロ右腕へと成長し、昨年秋に3勝1敗の成績を残すと、今春は4勝1敗とエースの投球を見せた。腕がやや低い位置から出る右腕で、小さなテイクバックが特徴、いきなり出てくるような腕から、きれいな回転の球というよりはやや動きのあるストレートとスライダーを中心に組み立てて投げる。ただし、力を入れて投げるまっすぐは低めのミットを強く叩く。
関西では花園大の藤原聡大投手がその球威を感じさせるピッチングで、現在、評価が急上昇しているが、毎年の事として、関東のようにすぐに話題にならない関西の大学の実力のある投手が、秋に名前が挙がってくる。田村投手もその一人だ。ドラフト会議では、侍ジャパン大学代表にもなった関東の有力右腕と比較され、球団やスカウトによっては、肩を並べるくらいの評価となる可能性もありそうだ。
優勝へ「もう負けられない」
この日の敗戦で、2018年秋以来のリーグ優勝を目指すチームにとって、もう負けは許されない。田村投手は「もう負けられない。次は勝てるように、しっかりと頑張っていきたいです」と顔を上げ、すで次戦でのリベンジを誓った。この悔しさをバネに、エースの真価が問われる。
京都産業大からは187cmの大型右腕・由上慶投手もプロ志望届を提出しており、こちらもスカウトは見ておきたい所だろう。これからも関西六大学でのスカウトの視察は続きそうだ。
田村 剛平 プロフィール
- 氏名:田村 剛平(たむら ごうへい)
- 所属:京都産業大学 4年
- 出身:報徳学園高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:181cm・84kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速153キロの本格派右腕。今春から続いていた連続試合完投が6でストップした。





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