東都大学秋季リーグでは、6連覇を目指す青山学院大学が開幕6連勝を飾った。エースの中西聖輝投手が右肘の炎症で登板を回避する中、チームを救ったのは今秋ドラフト上位候補の3番・小田康一郎内野手(4年・中京)。同点の8回に決勝の2点タイムリーを放つなど、3安打3打点の大暴れ。視察した巨人、阪神など8球団のスカウトの前で、やや不振からの復活を見せた。
不振脱却!先輩の金言胸に決勝打
主砲のバットが、エース不在のチームを救った。今季は開幕から5試合で17打数2安打と苦しんでいたプロ注目のスラッガー・小田康一郎選手。前日の試合後、OBでロッテに所属する西川史礁選手から「自信を持って思い切りいけ」と激励の連絡を受け、迷いを振り払った。
「受けずに攻めていこうと打席に入った」というこの日、初回に同点の左前適時打を放つと、3回にも右前打。そして圧巻は5-5で迎えた8回2死二、三塁の場面だった。低めの直球をバットの先でしぶとく中前へ運び、決勝の2点タイムリー。一塁上で右拳を突き上げ、満面の笑みを見せた。
巨人・阪神ら8球団が熱視線、スカウトも高評価
スタンドには、ドラフト候補の最終チェックのために阪神が竹内球団副本部長ら3人体制で視察するなど、8球団のスカウトが集結。その前での勝負強い打撃に、評価はさらに高まった。
巨人・円谷スカウト:「走攻守において野球センスを感じる。打撃はうまさも強さもあって、穴がない」
と評価した。小田選手は昨年春と秋に2本塁打、今春に3本塁打を放ち、今季も1本塁打でリーグ通算9本塁打を放っているが、高い打球でスタンドに放り込むというよりは、巧みなバットコントロールもあり、勝負強さを見せるタイプの選手で、勝負勘を持っている。阪神の佐藤輝選手よりは、DeNAの佐野恵太選手のようなタイプだろう。守備は一塁を守っているが、三塁などもこなす柔軟性のある選手だ。
6連覇へ「チームの1勝に貢献」
今春のリーグ戦で本塁打と打点の2冠に輝いた実力者だが、今季はここまで苦しんだ。しかし、エース・中西投手を欠く中で、チームが危機の試合で本領を発揮したのも小田選手らしいと言える。大きな勝ち点3に、安藤寧則監督も「全員戦力でよく勝ちきった」とチームの奮闘を称えた。小田選手は「個人的なことはあまり考えてなくて。チームの1勝に貢献した結果がドラフトに良い影響を与えれば」と、あくまでチームの勝利を最優先に掲げた。
スラッガーとしてわかりやすい立石正広選手に比べると、やや特徴を述べるのに難しいタイプではあるが、DeNAの佐野選手や牧選手のように、チームの中心になっていく選手だろう。
小田 康一郎 プロフィール
- 氏名:小田 康一郎(おだ こういちろう)
- 所属:青山学院大学 4年
- 出身:中京高校
- ポジション:内野手
- 投打:左打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト上位候補。東都No.1スラッガー。今春リーグ戦で本塁打、打点の2冠。大学日本代表。不振から復活の3安打3打点を記録。





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