京滋大学野球秋季リーグは14日に最終節が行われ、今秋ドラフト1位候補に急浮上した花園大の最速156キロ右腕・藤原聡大投手(4年=水口)が大学最後のマウンドに上がった。3回を1安打3奪三振無失点に抑え、最終球は155キロを計測する圧巻の投球を披露。集結した11球団32人のスカウトの前で、最後のアピールを締めくくった。
魂の37球、最終球は155キロで締め
万感の思いを込めて、右腕を振った。優勝の可能性がなくなったため、3イニング限定での登板となった大学最後のマウンドで藤原聡大投手は、初回から152キロを計測するなど、序盤からエンジン全開だった。3回を1安打無失点3奪三振。そして最後の打者を打ち取った37球目は、この日最速の155キロを記録した。「納得いく球が投げられました」と、大学4年間の全てを出し切ったマウンドに、充実の表情を浮かべた。
今秋は6試合39イニングを投げ防御率0.46と驚異的な成長を遂げた。延長10回に安打を許したものの、9回まで無安打無得点に抑えた投球もあり、ドラフト直前に評価は急上昇。「「カーブの精度が上がり、直球でより押せるようになった。どんなときも妥協せずにやってきた結果だと思う」と、これまでの努力に胸を張った。
11球団32人集結、巨人・阪神・オリックスは5人態勢
ドラフト直前の最終登板に、ネット裏はNPBスカウトで埋め尽くされた。この日は11球団32人が集結し9球団は複数人で視察、中でも巨人(榑松スカウトディレクターら5人)、オリックス(牧田編成部副部長ら5人)、阪神(畑山統括スカウトら4人)は幹部クラスを含む大規模な態勢で熱視線を送った。
福岡ソフトバンク・永井スカウト部長:「直球には切れがあり、スライダーもよかった。高校時代は野手だったのでフィールディングも心配いらない。上位候補になってくる。1位も含めた評価になってくるのではないか」
巨人・榑松スカウトディレクター:「リリースの位置がすごく安定していて、コントロールがいいですよね。意図したピッチングをしているなという感じ」
オリックス・早川大輔スカウト:「球威もあるし、スライダー、スプリットでも空振りが取れる。いいところを見られました」
ライバルと健闘誓い、運命の日へ
この日の相手先発は、同じくドラフト候補に挙がる佛教大学の赤木晴哉投手。2年時から切磋琢磨してきたライバルとは、試合前にスーパー銭湯に行くなど親交が深い。「お互い不安を言い合ったり。身近に分かり合える存在は藤原しかいない」と赤木投手が語るように、互いを支え合ってきた。
最高のライバルとの投げ合いで大学野球を締めくくり、藤原投手は「不安とドキドキと楽しみ、いろいろ入り交じっています。やれることは出し切ったので、あとはいい縁に恵まれるのを待ちます」と、静かに運命の日を待ち、「どこまでいけるか分からないのが自分のいいところ。限界を決めずに突き進んでいきたい」と更に進んでいく事を誓った。
これまでドラフト指名ゼロの花園大から、ドラフト1位指名選手が誕生する公算が強くなった。
藤原 聡大 プロフィール
- 氏名:藤原 聡大(ふじわら そうた)
- 所属:花園大学 4年
- 出身:水口高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:177cm・75kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。最速156キロ。大学最終登板で155キロを計測し、3回無失点と好投。今秋に評価を急上昇させた本格派右腕。






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