【大学野球】仙台大の4戦士が新天地へ、樫本旺亮はホンダ鈴鹿で「プロ入り」再挑戦、それぞれの道で輝く

今秋のドラフト会議で2人の指名選手を輩出した仙台大学（仙台六大学野球連盟）。プロ入りを果たした仲間たちに続き、チームを支えた4人の4年生もそれぞれの新天地での挑戦を決めた。投手リーダーを務めた樫本旺亮投手は社会人の強豪・ホンダ鈴鹿へ。芳賀慎之介選手、飯塚恒介選手、山名健心投手も、それぞれの場所で野球を継続し、さらなる高みを目指す。

樫本旺亮（ホンダ鈴鹿）：慢心捨てた投手リーダー、日本一とプロを目指して

最速148キロ右腕・樫本旺亮投手は、社会人野球のホンダ鈴鹿に内定した。2年春の大学選手権で3連投するなど活躍したが、その後は調子を崩し、「天狗になっていた」自分に気づかされたという。慢心を捨て、周囲の意見を聞き入れる柔軟さを手に入れたことで、信頼される投手リーダーへと成長した。

迷いながらもプロ志望届は提出せず、社会人で力を磨く道を選択。「まだまだ力不足。もう一度高いレベルで刺激をもらいながらチャンスを掴みたい」。大学では叶わなかった日本一と、2年後のプロ入りを目指して腕を振る。

淡路三島高校の大型右腕として注目された183cm93kgの投手。素材型投手を獲得育てるHonda鈴鹿で覚醒を期待したい。

芳賀慎之介（バイタルネット）：苦悩の4年間を糧に「逆襲」、恩師への感謝胸に

183cm97kgの大型内野手で、聖光学院時代の4番打者として鳴り物入りで入学した芳賀慎之介選手だが、大学では出場機会に恵まれず苦しんだ。「野球をやっていて意味があるのか」と悩んだ時期もあったが、登坂亮太コーチの支えで腐らずにバットを振り続けた。それでも4年秋の最後のリーグ戦でようやく出場機会が与えられたが、結果を出すことができなかった。

バイタルネットへの内定を決め、「違う形にはなりましたけど、登坂コーチに良い報告ができた」と恩返しを誓う。「芳賀の逆襲」をテーマに、磨き上げた打撃でチームの勝利に貢献する。

飯塚恒介（茨城トヨペット）：広島ドラ1・平川に衝撃、フォーム改造で掴んだ未来

飯塚恒介選手は、茨城トヨペットで野球を続ける。霞ケ浦高校で1年生でセンターのレギュラーを獲得した選手、高いコンタクト力が注目された。しかし、全国から有力選手が集まる仙台大では、特にチームメートで広島ドラフト1位の平川蓮選手のパワーに衝撃を受けた。2年春にベンチ入りをしたものの冬に肘を故障すると、「好調だった時のフォームが戻ってこなくて、一からのスタートでした。目標も見失いました」とく怪我や不振に陥った。しかし、それを乗り越えるために大胆なフォーム改造にも着手すると、その後はスタメンを獲得し、東北福祉大戦でホームランを放った。

「野球をやっている限りはプロを目指します」。ラストシーズンに掴んだ手応えと、あくなき向上心を武器に、地元の茨城の社会人の舞台で成長を続ける。

山名健心（3GoodGroup HOZEN noLimiteds）：怪我乗り越え投球術進化

山名健心投手も、飯塚選手と同じ霞ケ浦高校出身で、171cmの右腕投手。大学では1年秋にベンチ入りをするなど期待された。しかし2年夏に腰を痛めると、「しっくりこないというか、ハマらない感覚が続きました」と、フォームに悩んだ。それでも、渡邉一生投手（オリックス育成ドラフト4位）や、3年の佐藤幻瑛投手といったプロが注目する投手と一緒に練習した事は、「選手間でアドバイスしあったり、意見交換できるというのは自分にとってとても良い環境でした」と話し。チェンジアップやスプリットを習得して投球の幅を広げた。

今年から埼玉県野球連盟に加盟したクラブチーム「3GoodGroup HOZEN noLimiteds」へ進む。「自分がいる土俵で結果を出し続けられる選手でありたい」。試行錯誤の日々で得た経験を糧に、新天地での飛躍を誓う。