愛媛・松山で行われた侍ジャパン大学代表候補選手強化合宿で、明治大学の野手陣が足で強烈なインパクトを残した。最終日の50メートル走計測(光電管使用)で、岡田啓吾内野手(3年・前橋育英)が、陸上の日本記録(5秒73)をも上回る「5秒69」という異次元のタイムをマーク。さらに榊原七斗外野手(3年)、田上夏衣外野手(2年)も5秒9台を記録した。来季の明治大は足で神宮を制す。
異次元の「5秒69」、日本記録級の快足・岡田
合宿最終日の恒例の50m走りの計測で、岡田啓吾選手が驚きのタイムを記録した。1本目に叩き出したタイムは「5秒69」。陸上競技のスタート方式とは異なるとはいえ、東京五輪代表・多田修平選手が持つ50mの公認日本記録(5秒73)を超える数字だ。「まぐれ」ではなく、2本目も5秒8台を記録し、「いいタイムが出てよかった」と涼しい顔で振り返ったが、一気に足が注目される選手になった。
怪我を乗り越えベストナイン、来季は「走る」
岡田選手は今秋リーグ戦で36打数14安打で、打率.389をマークして4位の成績となり、初のベストナインに輝いた。しかし、盗塁はわずか1個で、開幕の東大戦で飛球を追った際、チームメートの光弘帆高内野手(3年)と交錯し、左足前脛腓靱帯を損傷する重傷を負っていたのだ。
一時は出場も危ぶまれたが、監督に直訴して復帰。痛みを抱えながらバットでチームを牽引した。リーグ戦出場はこの春から増えたとはいえ、まだ49打数しかなく、盗塁はこの秋の1つのみと、まだそのポテンシャルを試合で見せていない。それでも、足の状態が万全となる来季へ向け、「盗塁はスタートが大事。足が速いから成功するとは限らない」と技術向上を誓う。
榊原・田上と「3人で30盗塁」、神宮を陸上競技場に
合宿では榊原七斗選手、田上夏衣選手も5秒9台を記録した。今年の侍ジャパン大学代表にも選ばれてスタメンにも名を連ねた強打の榊原選手、そして広陵高校でスラッガーとして注目され、今秋のリーグ戦でも2本塁打を放った田上選手に足という武器があることを証明し、明治大の機動力が全国トップレベルであることを証明した。もし岡田、田上、榊原が1~3番に並べば、相手バッテリーにとっては強打だけでなく、足への警戒もしなければならず、これほどの脅威はない。
「この3人で30盗塁できたら勝利に近づく」。この秋に東京六大学の王者に返り咲き、そして16年連続でドラフト指名選手を輩出している明治大、来年も再来年もドラフト指名は続いていくだろう。
明治大・スピードスター プロフィール
- 岡田 啓吾(おかだ・けいご): 3年・内野手。50m5秒69。前橋育英高卒。広角に打てる打撃と俊足が武器。新チームの副将。
- 榊原 七斗(さかきばら・ななと): 3年・外野手。50m5秒99。報徳学園高卒。高い身体能力を誇るアスリート型外野手。
- 田上 夏衣(たのうえ・かい): 2年・外野手。50m5秒92。広陵高卒。俊足巧打の次世代スター候補。






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