兵庫県西宮市の関西学院第3フィールドにて「開場20周年記念招待試合」が開催され、関西学院大(関西学生)が東京六大学の強豪・慶応義塾大と対戦した。この記念すべき一戦で、復活への確かな足跡を刻んだのが、プロ注目の最速146キロ左腕・飯田泰成投手(4年・春日)だ。昨秋は腰痛によってリーグ戦をほぼ棒に振ったが、大学ラストイヤーの開幕を前にマウンドへ帰ってきた。メジャーリーグでも活躍したOBの田口壮さんが見守るなか、慶応高の日本一メンバーである丸田湊斗選手(2年)を打ち取るなど、収穫の多い登板となった。
慶大・丸田湊斗選手を打ち取り復活を印象づけた「光の差す19球」
1-4とリードを許した8回から、飯田泰成投手はリリーフとしてマウンドに上がった。力強い直球を軸に、先頭打者から空振り三振を奪うと、次の打者は慶応高で夏の甲子園優勝に大きく貢献したプリンス、丸田湊斗選手。注目の対戦となったが、飯田投手は落ち着いた投球で遊ゴロに仕留め、続く3番打者も打ち取って三者凡退の完璧な立ち上がりを見せた。「ボールとしてはそんなに悪くなかったと思います(西日本スポーツ)。」と振り返る通り、エースとしての風格を漂わせる投球だった。
続投した9回は、四球と不運なポテンヒットから失点を喫し、1回1/3を投げて3失点という結果にはなったが、本荘雅章監督は、「あの後抑えても意味はないし、打たれてストレスになるのも良くないと思い、代えました(西日本スポーツ)。」と、本番を見据えた戦略的な交代であることを強調した。この日は中2日での登板だったが、複数イニングを志願できるまでに腰の状態が回復したことが収穫となった。
高校時代の「不完全燃焼」を力に、コロナ禍による不戦敗の悲劇を乗り越えて
飯田投手は180cm80kgの左腕投手で、福岡・春日高のエースとして130キロ後半ながら躍動感有るフォームからの投球が注目されていた。2022年の夏の福岡大会でも快進撃を続けていたが、4回戦の当日の朝、突然の高熱に襲われた。新型コロナウイルスへの感染だった。飯田投手不在のなか仲間たちは5回戦へ進んだが、その後チーム内で感染が拡大。ついに出場辞退、不戦敗という残酷な結末を迎えた。「正直、受け入れることができないというか、不完全燃焼でした。起き上がれないぐらいキツかったです(西日本スポーツ)。」と振り返る。
大学進学後は、2年春に全日本大学選手権に出場し、共栄大戦で勝利投手となるなど、早くから全国の舞台を経験した。しかし、昨秋は腰痛により戦線離脱。それでも「地味にきつい」練習を積み重ね、体重を88kgまで増やすと、球速は入学時の140キロ未満から146キロまで向上。高校時代、そして昨秋の苦難を乗り越え、今年の復活を目指す。
「集大成の神宮へ」後輩たちに景色を見せるために腕を振る
その飯田投手は、「先輩方に神宮へ連れて行ってもらったので、今は神宮を知らない後輩のほうが多い。自分がその景色を後輩たちに見せられるように(西日本スポーツ)。」と話し、エースとして後輩を神宮に導く決意を示した。
180cmの左腕投手としてプロも注目しているが、「個人としてはプロというところを目指しています。真っすぐが強みだと思っているので、そこを磨きたい(西日本スポーツ)。」と決意を語る。4月4日に開幕する関西学生野球リーグ。初戦の相手は京都大だ。先発、リリーフとあらゆる状況での登板を想定し、福岡の地で味わったあの夏の絶望を、神宮球場のマウンドでの歓喜へと塗り替える。
【飯田 泰成】 プロフィール
- 氏名: 飯田泰成
- 所属: 関西学院大学(4年・新4年)
- 出身: 福岡県(福岡市立春日中-春日高校卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 180cm、88kg
- 主な特徴や実績: 最速146キロを誇るプロ注目左腕。大学2年時に全日本大学選手権で勝利を挙げる。昨秋の腰痛を乗り越え、ピラティスなどの地道な強化で復活。スライダー、カーブ、チェンジアップを操り、テンポの良い投球が持ち味。







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