関西学院大・宇都宮健太投手、9回16奪三振もタイブレークで敗れる、ドラフト1位指名の可能性を探る

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 明治神宮大会の中学院大vs関西学院大の試合では、秋風で冷え込んだ神宮球場の夜に、宇都宮健太投手は熱投を見せ、そして壮絶に散った。

奪三振の理由

 関西学院大の宇都宮健太投手の評価として、「ストレートのキレがありストレート勝負で三振を奪う事ができるが、コントロールが甘くなるとヒットを打たれる。奪三振数も多いが被安打数も多いものの、ランナーを出してからの粘りのピッチングが見事。」と書いていたが、まさにこの印象だった。宇都宮投手はこの日、9回まで5安打16奪三振3四死球で無失点に抑えた。

 三振の多い理由を見つけた。チェンジアップなのかシンカーなのか左打者の外角に沈んでいく変化球が素晴らしく、ストレートと同じフォームで投げられるため、空振りを奪えるし、逆にストレートで見逃しで三振を奪える。

 次にコントロール。中部学院大の打者が審判を厳しい目で見る場面が多く見られたが、それと同じくらい、ギリギリでボールとコールされた球もあったように見える。内角、外角のギリギリの所に投げるコントロールは、捕手のミットから目を離す事の無い、バランスの良いフォームによるものだった。

課題も

 このような素晴らしいフォームとストレートを投げるのだが、突然四球を与えたりする。おもしろいと思ったのは、投球練習では高めに浮いたりしていて「大丈夫か」と思いきや、打者が入るとコントロールが良くなる。またこの試合で初回の死球を除くと、四球は4回にエラーでランナーをだしてから2者に与えたもので、おそらく高い集中力によってコントロールができるタイプなのだろう。ランナーを背負ってからは得点を与えない事でもそれはわかる。

 1試合全ての投球を集中して投げるのは難しいと思う。現在はストレートが143km/h前後だが、これを今のフォームとキレをもったまま140km/h後半まで持っていく事ができれば、多少集中力を欠いても球威で抑える事もできるようになる。

ドラフト1位候補になるには

 かつては三振を奪える変化球があれば、ドラフト1位で指名されていた。例えば1993年のドラフトでは大学野球選手権で1試合17奪三振を記録した河原隆一投手が、巨人や横浜などと争奪戦となったり(横浜を逆指名し入団)、他にもフォークボールや独特の変化球で三振を奪った投手がドラフト1位指名された。

 しかし最近は即戦力投手に関しては、三振はそれほど奪えなくても、球速・コントロール・変化球などの総合力の高い投手が優先される。今年のドラフトで言えば、吉田一将投手、大瀬良大地投手、柿田裕太投手など。

 宇都宮健太投手は、コントロール、フォーム、ストレート、変化球とも素晴らしいのだが、球速と他の変化球が気になってくる。球速は先ほどの通りでもう少し伸ばしたい。変化球はこの日は後半にかけてスライダーを使ってストライクを奪い、ゴロで打ち取る投球もできていたので、それについては期待できると思う。

悔しい結果に

 タイブレークでは、来年のドラフト候補として注目される、中部学院大の野間峻祥選手にライト前に持っていかれると、杉島隆文選手にもタイムリーを浴びた。走塁ミスで2アウトとなったが、そこで上西主起選手に特大の3ランホームランを浴びて5失点、悔しい敗戦となった。

 課題も見せたが全国に、そしてプロのスカウトには大きなインパクトを与えたと思う。2年後、2015年のドラフトで宇都宮健太投手は登場する。

  宇都宮が壮絶に散った。9回までは最速143キロの速球とチェンジアップを織り交ぜ、毎回&全員の16奪三振。だが、タイブレークに入った10回に3ランを浴びるなど5点を失った。「9回投げるスタミナはあっても、10回投げるスタミナがなかった」と涙を見せた。

 春に社会人とのオープン戦で打ち込まれたのを機に、猛練習に取り組んだ。春はリーグ2位の6勝をマーク。秋は3完封を含む5勝でMVPに輝くまで成長した。49年ぶりの全国大会勝利は逃したが、今春から指揮を執る竹内利行監督(63)は「リーグ戦、関西代表決定戦、今日と期待通り。本当に最高」と2年生右腕に最敬礼した。

 77年大会で法大・江川卓がマークした17奪三振にあと1と迫りながらも、神宮を去ることになった宇都宮。「まだまだ甘い。もっと上を目指して練習します」と飛躍を誓った。

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