東北楽天にドラフト1位で指名された辰己涼介選手と、阪神にドラフト1位で指名された近本光司選手はともに社高校出身、その二人が社高校を訪れ、来年、両リーグで新人王を獲得することを誓った。
社高校でともにプレー
社高校から立命館大に進み今年ドラフト1位で指名された辰己涼介選手は、社高校から関西学院大、大阪ガスでプレーした近本光司選手の2年後輩で、共に高校で外野手としてプレーしていた期間がある。近本選手が3年時に投手兼外野手でプレーし、3番を打っていたが、辰己選手も1年生でレギュラーとして夏に出場していた。しかし、そのチームは兵庫大会準々決勝で滝川二に敗れていた。
辰己選手は当時の近本選手について、「僕らの学年は”社のイチロー”と呼んでいました。神様で、しゃべることはできなかったですが、プロの世界で切磋琢磨できると思うと楽しみで仕方ないです」と話した。
しかし今年のドラフト会議では、辰己選手の抽選を外した阪神が近本選手を指名し、「僕は辰己の後なので。辰己を獲れなかった分、僕がしっかりと阪神に貢献したいです」と話し、「こうして一緒に来られたのはうれしいです。ライバル視とかはなく、リーグが違うので、新人王のダブル受賞をしたい。2人で頑張っていければいいです」と話した。
同じ高校出身の選手が、同一年に新人王となれば、1996年に、常総学院出身だった仁志敏久選手と金子誠選手が新人王に輝いており、それに続く快挙となるが、仁志選手と金子選手は4歳の差があり、高校時代に一緒にプレーしていた選手としては史上初となる。
ちなみに出身が一緒で同一年に両リーグで新人王を獲得したのは、立教大の同級生だった長嶋茂雄氏と杉浦忠氏、中央大で2年先輩だった武上四郎氏と高橋善正氏、大昭和製紙で2年先輩だった安田猛氏と加藤初氏、そして常総学院の仁志選手と金子選手の4組となっている。
近本選手も辰己選手も、共に新人王を獲得する可能性は高いと思うが、まずはレギュラーを獲得する所からスタートする。1月に二人がどんなスタートを見せるか注目したい。
そして社高校には、最速147キロの右腕・藤本竜輝投手が、来年のドラフト候補として注目されている。二人の輝く姿を見て、プロ入りへの思いを強くしたのではないかと思う。こちらも来年期待したい。
何とも不思議な縁だ。10月25日のドラフト会議。阪神が1位の藤原恭大外野手(大阪桐蔭高→ロッテ)を3球団競合で外した後、外れ1位で指名したのが、立命大で関西大学リーグ歴代2位となる通算122安打をマークした辰己だった。
再び4球団競合となり楽天が交渉権を獲得。阪神は外れ外れ1位で近本を指名した。後輩の辰己が「地元ですし(阪神からの指名は)うれしかった。ただ、これからは楽天なので」と表情を引き締めれば、先輩も負けじと語気を強めた。
「僕は辰己の後なので。辰己を獲れなかった分、僕がしっかりと阪神に貢献したいです」
これまで近本、辰己を含めて9人がプロ入りした同校野球部。だが、ドラフト1位指名での入団だけでなく複数の同時入団も今回が初めて。そんな快挙を達成した2人で狙うのは1958年に立大出身の巨人・長嶋氏と南海・杉浦氏ら過去に3例しかない、同じ学校出身の同一シーズン新人王の受賞だ。先輩後輩で共闘し、23年ぶりの偉業として球史に名を刻む意欲を示した。
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