どうなる2020年ドラフト会議

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新型コロナウイルスの影響がさらに続き、春季関東大会の中止、大学春季リーグの延期や無観客開催、社会人野球JABA大会の中止の検討など、2020年のドラフト会議への影響がますます大きくなっていると感じる。2020年ドラフト会議はどうなるのか。

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大学野球選手権、日本選手権、夏の高校野球選手権大会の比重が重く

最近の指名人数内訳

()はドラフト1位指名選手

高校 大学 社会人・その他
2008 29(4) 22(5) 17(3)
2009 25(6) 20(3) 21(3)
2010 25(3) 23(7) 20(2)
2011 33(5) 20(4) 19(3)
2012 23(4) 24(5) 23(3)
2013 24(4) 21(3) 31(5)
2014 31(4) 24(5) 31(5)
2015 30(4) 30(8) 28(0)
2016 35(4) 32(7) 20(1)
2017 30(5) 23(5) 29(2)
2018 37(5) 26(6) 20(1)
2019 35(7) 25(1) 14(4)

高校生

ドラフトでは2014年から高校生の指名が30人以上の指名が続いている。育成枠の創設もあり、プロ球団が保有できる選手の枠が増えた事もあり、ポテンシャルのある選手を早めに獲得するという流れはある。ここ3年間は、清宮選手、根尾・小園選手、佐々木・奥川投手など、ドラフト会議の主役となる選手が出ていた。

しかし今年は、センバツが中止となり、今年のドラフト会議での上位候補とされていた明石商・中森俊介投手や来田涼斗選手、花咲徳栄・井上朋也選手、星稜・内山壮真選手、東海大相模・西川僚祐選手、智弁和歌山・小林樹斗投手などのプレーが見られず、またこの大会で上位候補に入ってくると見られていた中京大中京・高橋宏斗投手や大分商・川瀬堅斗投手もその力を見せる事はできなかった。

また、春季大会も関東、九州、四国の地区大会中止が決定され、地方に隠れた逸材のリストアップをする機会がかなり減ることとなった。今後、スカウトは昨年の情報などを頼りに練習試合を視察して評価をしていくしかないが、公式戦でのプレーが見られないと完全には評価しきれないという思いは残る。本来は夏前にリストアップとある程度のランク付けを済ませ、夏の大会で絞り込みに入るが、今年は春の練習試合で目星をつけた選手を夏の大会で見に行ゆき、またそこで見た選手を、大会後に学校を訪問して練習を見るようなリストアップと絞り込みを同時に行うような活動をしなければならない。

選手にとっても、早い選手は春には社会人の練習に参加したり、ある程度の大学への推薦などが固まってくるため、進路の決断をしなければならない。中京大中京の高橋投手などは大学進学とプロ入りを視野に入れているとしているが、公式戦で今年の自分の力を試せないまま、進路を決めなければならなくなる。

今年の状況から、大学や社会人も進路の決定を夏の大会以降に伸ばすような配慮をしてくれると思うが、そうなると7月の選手権大会が大きくなる。選手の進路の決定も遅れ、またプロのスカウトの評価も遅れる事が懸念される。ドラフト上位候補の数は変わらないかもしれないが、中位や下位で指名されていそうな選手が今年は少ないかもしれない。

大学生

大学生は3年生までの実績やプレーをスカウトは既にチェックをしており、春季リーグ戦は延期にはなっているものの、中止という事は今のところ無い。関西のリーグを中心に無観客での開催が決まった所もあり、プロのスカウトは見る事はできるようになるのではないかと思われる。

東洋大・上茶谷投手や立命大・桜井投手のように4年生で一気に頭角を現した選手もおり、そのような選手も現時点ではみられるようになるし、例年通り、春季リーグ戦で優勝をして大学野球選手権に出場ができれば、その姿を見られるようにはなるだろう。

ただし、もし拡大傾向にある現在の状況が続けば、6月の大学野球選手権も厳しくなってくる。そうなると状況は一変しそうだ。大学生も野球を続けるかどうか、またはプロに進むか社会人に進むかといった進路の大きな決断はだいたいは春に決める事になるが、春の試合ができなければ、不完全燃焼のまま決断をしなければならなくなる。

大学は夏もオープン戦を行い、ドラフトの前に秋のリーグ戦もあるが、選手はそのリーグ戦の最中にプロ志望届を提出しなければならない。また秋はプロのスカウトにとってドラフト直前となり、プロ志望届を提出した選手への面談などもしなければならないため、秋のリーグ戦でのリストアップと面談を平行して行わなければならない。また、ドラフト会議が11月5日に行われるが、各球団とも翌年のチーム戦力の構想をする9月にはある程度の指名候補選手のリストアップはしておかなければならない。

社会人

社会人は今年は東京オリンピックが予定されていたため、例年と違い、都市対抗がドラフト後に、日本選手権が7月に開催される。社会人の場合、大学卒2年、高校卒3年と大学生よりも成長を見る時間は少なく、ドラフト年のプレーのウエイトは大きいと思う。

そして、阪神の近本選手がドラフト1位指名されたように、都市対抗予選と本戦のプレーがやはり大きく、大勢の観客が訪れる都市対抗ではなく、日本選手権ということでどうなるのかが微妙な状態だったが、それに加えて新型コロナの影響で春のJABA大会が中止となる可能性もあることから、かなり未知数な状況となる。

日本選手権の地区予選、そして本戦でのプレーの比重が重くなると思うが、もし現在の状況が続けば、その開催も厳しくなり、選手にとってもスカウトにとってもダメージは大きくなる。

プロ側は

このような状況から、プロ側は秋にプロアマ交流戦として、大学や社会人チームとの対戦が増えるのではないかと思う。そこで選手を評価して行く形になりそうだ。ただし高校生はプロとの対戦は行う事は難しく、各球団は入団テストを行う機会が増えるかもしれない。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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