智弁和歌山の小林樹斗投手が南部戦の9回に登板すると、1イニング13球全てストレートを投げ、最速150キロを記録した。
大台突破
智弁和歌山の小林樹斗投手は、最速148キロのストレートを投げるが、素晴らしいフォームからの伸びのある球は、分かっていても空振りをしてしまう球で、昨年のセンバツではその圧倒的なストレートに注目された。
この日は4点をリードした9回にマウンドに立つと、初球から140キロ台後半を記録、その後も140キロ台後半の速球だけを投げ、先頭打者を146キロの球でセカンドゴロ打ち取ると、次のバッターを149キロのストレートで空振り三振、そして3人目の打者の2球目に、阪神のスピードガンでは150キロを記録すると、最後は148キロのストレートで空振り三振を奪った。オリックスのスピードガンでは149キロを5回記録したという。
末恐ろしいのはその後だった。この日の出力を「6、7割」と話した。低めへの制球を意識して投げ、「最後甘くなってしまったけど、それ以外は良い球がいっていた。100点に近い投球が出来た」とし、全てストレートだったことについては「打者の反応が合ってなかったので、直球で行こうと思った。自分の中ではいつも通り、変わらない感覚。」と、ストレートのアピールではなく、相手を見ての配球だった。そして、「今日くらいの感じで150が出ていたのなら、コンディション的にも悪くないということなので、これを継続していきたい」と、狙って記録した150キロではなかった。
この日は6球団のスカウトが視察をした。
阪神・渡辺スカウト:「真っすぐが強くて力がある。変化球も腕が振れるし、投げる球すべてがレベルアップしている」
中日・山本スカウト:「まっすぐ1本で試して、アウトコース低めに投げられる。これだけ投げられるのは何人もいない」
巨人・岸スカウト:「真っすぐの質がいい。フォームのバランスが良くなっている。まだまだ出ると思う。上位の可能性もあるのでは」
オリックス・谷口スカウト:「力を入れれば、これだけの球が投げられることが確認できた」
小林投手はこの大会前に明石商などと練習試合を行い登板をしている。スカウトのコメントを振り返ると、良いコメントは出しているものの、若干、もっと期待をしているような印象を受けた。しかしこの日のコメントを見ると、その練習試合での登板からさらに良くなり、スカウトの期待通りの球だったのだろう。
昨春の衝撃的な球から、昨年夏はやや状態が落ちていた印象を受ける。しかし、今年夏までの長い期間に、さらにパワーをアップした小林投手がいた。ドラフト2位までに指名されるのは確実と見られ、これからの和歌山県大会や甲子園交流戦で155キロくらいを記録してくれば、中森俊介投手、高橋宏斗投手の状況次第で1位指名候補として名前が挙がるだろう。

視察した中日山本スカウトは「まっすぐ1本で試して、アウトコース低めに投げられる。これだけ投げられるのは何人もいない」。巨人岸スカウトも「まだまだ出ると思う。上位の可能性もあるのでは」と絶賛の声が相次いだ。
4番手で九回に登板すると、先頭を二ゴロに仕留め、続く打者は149キロで空振り三振。2死からの打者への2球目で150キロを記録すると、最後は148キロで見逃し三振に封じた。阪神・渡辺スカウトは大会前の練習試合の投球も含めて「真っすぐが強くて力がある。変化球も腕が振れるし、投げる球すべてがレベルアップしている」と評価した。
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