高校野球は来年のセンバツ大会や各道府県大会から、2年間の猶予期間を経て、金属バットを反発の少ない新基準のバットに移行する方針で、これまで開発されてきた飛ぶバットによる甲子園の大会は今夏で終わる。
びっくりするくらい飛ばなくなる
すでに1,2年生には飛ばないバットで練習させているという高校は多いが、履正社で43本塁打を放ち、オリックスでもプレーをした東大阪大柏原の土井健大監督は、「選手は飛び方が違うと驚いています。「従来基準は、めちゃくちゃ飛びます。私も新基準を使っていますが、芯に当たっても5メートルは飛ばないです。私の感覚で言うと、ボールを押し込めないんですよ」と話す。
また、「印象的なのは、外野フライは反応しづらいことです。従来基準ならカキーンと、芯に当たったように聞こえたら外野手は下がりますが、新基準は芯に当たってもパコンという音がします」と話し、外野手の守備への影響も考えられるという。
また、報徳学園の大角健二監督も「1、2年生は試合でも使っています。安打が出にくいですし、しっかりいいスイングをしないと打球が飛ばない」と話し、幕張総合の柳田大輔監督も「2年生以下は練習試合で使っています。ビックリするくらい飛ばなくなる。ヒットを打つためには、打球速度やスイングスピードを上げなくてはいけない」と話した。
そして土井監督は、「将来的には高校野球でも木製バットを使う選手やチームが出てくると思います。新基準より木製のほうがしなるし押し込めるから芯に当たれば飛ぶ。ルール上はOKですから」と、木製バットのほうが飛ぶと指摘もした。
木製バットは折れるため費用が非常にかかる事になり、部費のあるチームが強くなる事になってしまうが、それは避けるためにルールの改正や、新基準についても柔軟な対応が必要となりそうだ。
野球への影響
清宮幸太郎選手が111本、そして花巻東の佐々木麟太郎選手が138本を放っている。もうこのようなスラッガーは出てこないかもしれず、ドラフト候補を見ていく上でも、ホームラン数は過去との比較は全く意味のないものになり、以前より打者のスイングをみる力が問われる事になりそうだ。
ただし、この飛ばない問題は高校野球の盛り上がりにも影響するかもしれない。プロ野球も統一球が導入された時にホームラン数が少なくなり、それがプロ野球の盛り上がりに影響したと言われる。現在の基準では打球が強すぎて投手や守備の選手の危険性が増しているのは事実だが、やはりホームランだったり球速というのは、高校野球ファンにとって盛り上がる要素ではある。
球速表示も最近は、スピードガンなど計測方法によって球速が出やすいものもあり、球場によっては球速表示がかなり速めに表示される事もある。あまりにひどいと球速表示の信頼性が無くなってしまうが、選手本人からすると140キロ、150キロを記録することは自信にも繋がり、悪いことではない。
ホームランを打つことができなくなり、野球が面白くないと思う選手が増えるのは避けたい。野球が一部の選手だけのスポーツになっては行けないと思う。今後、試行錯誤を続けていく事になるだろう。


コメント
こういうことするなら最初から木製バットに統一してほしい。
あと貧打対応策として甲子園のラッキーゾーン設置は必要だと思う。