東都大学野球リーグで5連覇を目指す青山学院大学のエース右腕で、最速152キロの速球を投げる今年のドラフト上位候補と注目される中西聖輝投手が、この日、行わえた中央大との3回戦で圧巻の投球を披露した。最速152キロの速球を武器に、9回を118球、1安打10奪三振でリーグ戦初となる完封勝利を挙げ、チームを1-0の勝利に導いた。この日の神宮球場には、プロ野球複数球団のスカウトが集結し、中西投手の力投に熱い視線を送った.
圧巻の完封劇:1安打10奪三振、エースの意地を見せる
中央大との1回戦で6回5失点で敗戦を喫していた中西聖輝投手は、「必ず取り返すという気持ちで初回から入った」と強い決意を持ってマウンドへ上がった。その言葉通り、初回から力強いストレートとキレのある変化球で打者を圧倒。4回までパーフェクトピッチングを続け、5回に初安打を許したものの、その後も安定した投球で中大打線を封じ込めた。9回にはこの日最速となる150キロをマークするなど、最後まで集中力を切らさず、見事な完封勝利を飾った。
スカウトの評価:上位指名候補として注目度上昇
この日の投球を受け、視察に訪れた各球団のスカウトからは高い評価が相次いだ。特に、以下のようなコメントが寄せられ、中西投手のドラフト上位指名への期待が高まっている。
スカウトコメント
千葉ロッテ・福沢スカウト:「自分の持ち味を生かした投球ができている。ゲームメークができるし、指先も器用。注目選手で間違いない」
中日・音スカウト部チーフ:「コースにきっちり投げ分けられるのは彼の魅力。ドラフト上位候補だと思う」
北海道日本ハム・大渕GM補佐兼スカウト部長:「変化球とのコンビネーションも使えて、要所では力を入れて、本来の投球ができていた。腕の振りがいい。注目されるべき選手」
横浜DeNA・河原スカウト:「多彩な球種を操れて力を入れるとスピードも出せる。何より試合を作れるのがいい」
これらのコメントからも分かるように、中西投手は球速だけでなく、制球力、変化球の質、そして試合を作る能力といった、プロのスカウトが重視する要素を兼ね備えていると評価されている。
ドラフト指名と今後の展望:大学球界を代表する右腕の挑戦
青山学院大は、中西投手を軸に東都大学野球リーグ5連覇、そして大学日本一を目指している。一昨年のドラフトでは、同大学から常広羽也斗投手(広島)、下村海翔投手(阪神)が、昨年は西川史礁選手(千葉ロッテ)、佐々木泰選手(広島)指名されており、中西投手もその流れに乗ってプロ入りを果たすことが期待される。特に、スカウトからはドラフト上位候補との声も上がっており、今年の投球が注目されていた。
中西投手自身も「同じミスを2回してしまうとエースの立場がなくなる」と語っており、常に高い意識を持って試合に臨んでいる。その強い責任感と実力が、今回の完封勝利という結果に繋がったと言える。
大学球界を代表する本格派右腕として、今年はプロへ挑戦の最終ラウンドともいえる大切な年になる。まだ始まったばかりだが、中西投手の今後の投球に注目したい。
プロフィールと特徴:智弁和歌山出身、最速152キロの本格派右腕
中西 聖輝(なかにし まさき)
- 所属: 青山学院大学 4年
- 出身: 奈良県
- 経歴: 小学1年時に野球を始め、光陽中時代は橿原磯城シニアに所属。智弁和歌山高校では3年夏の甲子園で背番号1を背負い、チームの優勝に貢献。青学大では2年春にデビューし、昨秋にはリーグ最優秀投手に輝いた。
- 投打: 右投げ右打ち
- 身長・体重: 182cm・90kg
- 特徴: 最速152キロのストレートと、多彩な変化球を操る本格派右腕。昨秋はリーグ戦6勝をマークし、明治神宮大会優勝にも大きく貢献した。



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