昨夏の甲子園に出場した白樺学園高校(北海道)に、2年生ながら5番ファーストで出場した冨沢悠斗選手(3年)が、高校野球最後の夏に向けて、中学以来となる投手に復帰した。中学時代に洞爺湖シニアで健大高崎・石垣元気投手の2番手で、甲子園での投げ合うという夢を叶える。
勝てなかった悔しさ胸にマウンドへ
冨沢悠斗選手は、中学時代は洞爺湖シニアで投手としてプレーし、エースだった石垣元気投手に次ぐ2番手だった。しかし、白樺学園高校入学後は野手に専念しており、昨夏の甲子園では5番ファーストとして出場していた。
しかし、昨秋は地区代表決定戦で敗れ、全道大会に進むことすらできなかった悔しさから、選手同士のミーティングで自ら投手に挑戦することを志願した。「勝てなくて、個人的にも結果を出せなくて悔しかった。自分がピッチャーになることがチームのためになると思う。今年こそ勝って校歌を歌いたい」と、昨年の悔しさをバネに、投手として再び甲子園を目指す強い意気込みを語った。
体重6キロ増で体幹強化!目指すは自己最速140キロからの更なる球速アップ
投手に復帰するにあたり、冨沢選手は冬場に徹底的な体づくりを行った。食事の回数を1日7食に増やし、昨秋から6kg増の80kgと体を大きくした。また、体幹トレーニングにも力を入れ、OBであるオリックス・片山楽生投手(NTT東日本から2024年ドラフト6位)のメニューを参考に鍛え上げた。
182cmと身長もあり、制球力が持ち味だが、球速もすでに自己最速となる140キロをマークしているという。夏までには145キロを出すことを目標とし、ブルペンでは3日連続で50~60球を投げ込むなど、投手としてのスタミナも強化している。
春には公式戦登板も期待されており、松田忍監督も、「力はある。140キロ台はすぐに出せる。最近になって意識も変わってきた」と期待を寄せている。
親友との約束!甲子園で健大高崎・石垣投手との投げ合いへ
投手に復帰したことについては、チームのためということもあるが、もっと大きなモチベーションがある。中学時代、洞爺湖シニアでチームメートだった健大高崎のエース・石垣元気投手とは、昨年末に地元で再会するなど、今でも頻繁に連絡を取り合う仲であり、「石垣の活躍を見て、自分がもう一回ピッチャーをやりたくなったのもある」と、投手に挑戦することも石垣投手に報告しているという。
「甲子園で投げ合いたいねって言ってくれた」という石垣投手の言葉に親友の言葉とともに、その活躍も刺激となっている。「やるからには自分もエースで甲子園に行きたい」と話し、両校のエースとて聖地で再会するために、冨沢投手は更なるレベルアップを図っていく。まずは春の県大会制覇を通過点に、チームを勝利に導く投球を目指し、いずれは石垣投手が強く目指しているプロ野球の舞台でも、投げ合うことがあればいいと思う。
冨沢悠斗選手 プロフィール
- 氏名: 冨沢 悠斗(とみさわ ゆうと)
- 所属: 白樺学園高等学校 3年
- 出身: 北海道室蘭市
- 生年月日: 2008年(平20年)1月11日(17歳)
- 経歴: 天沢リトルエース(小学)- 洞爺湖シニア(中学)- 白樺学園高等学校(1年春からベンチ入り)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 182cm・80kg
- 最速: 140キロ(現在の自己最速)
- 特徴: 昨夏甲子園に野手で出場後、高校野球最後の夏に向けて投手に復帰。体幹強化とフォーム修正で球速アップ。親友である健大高崎・石垣元気投手との甲子園での投げ合いが目標。
- 好きなプロ野球選手: 近藤健介(ソフトバンク)

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