東京六大学野球春季リーグ戦、明治大と慶應義塾大の2回戦は、3時間44分にも及ぶ激闘の末、延長12回、7-7の引き分けに終わった。今秋ドラフト候補に挙がる明治大の大川慈英投手(4年・常総学院高校)が激闘のマウンドで力投を見せた。
延長12回、自己最長5回を投げ最速154キロマーク
4点差を追いつき、5-5の同点となった8回裏、明治大は155キロ右腕の大川慈英投手をマウンドへ送った。大川投手は8回と9回、そして延長に入っても11回まで最速154キロを記録する圧倒的なストレートと小さく鋭く曲がるカットボールで慶応大打線を5奪三振パーフェクトに抑えた。
しかし、2点の勝ち越しに成功した延長12回裏、一死二、三塁からレフトオーバーの適時三塁打を浴び、同点に追いつかれた。自身の投球について、「最終回以外は良い投球ができました。最後は自分の甘さが出た」と悔しさを滲ませた。しかし、戸塚俊美監督は、「同点に追い付いた時点で大川に託そうと思っていた。頑張ってくれました」と語った。
この日の投球は、視察したスカウトも高く評価した。オリックスの岡崎スカウトは、「制球力と球の質が成長している。相手が直球を打ちに来る中で空振りがとれている。アマ野球界でこの球が投げられる投手はなかなかいない」と、絶賛した。
ドラフト解禁年、悔しさを糧にさらなる進化へ
今秋ドラフト候補として注目される最速155キロ右腕・大川慈英投手。昨年からリリーフで実績を残し、昨春は1勝、秋は2勝を挙げた。そして今年は春から好調が伝えられており、最速155キロを記録するなど大学4年で最高の状態になっている。
ストレートの威力、球質、コントロールも、プロの1軍のリリーフで投げている投手と全く遜色はなく、このまま行けば、来年はリリーフで即戦力として期待ができる。ドラフト会議では2位までに指名されるのではないかと予想する。
大学生右腕では堀越啓太投手、滝口琉偉投手の球威のあるリリーバーと、快速球を投げて実戦経験豊富な高木快大投手、球威とスタミナを持つ工藤泰己投手、島田舜也投手、中西聖輝投手、そして先発として経験豊富な投球を見せる市川祐投手、伊藤樹投手などがいるが、その一角に大川投手が入ってきたのは間違いない。
大川慈英投手 プロフィール
- 氏名: 大川 慈英(おおかわ じぇい)
- 所属: 明治大学 4年
- 経歴: 常総学院高校 – 明治大学
- 投打: 右投右打
- 最速: 155キロ
- 特徴: ドラフト候補の本格派右腕。最速155キロのストレートとキレのあるカットボールが武器。延長戦などタフな場面での登板も経験。


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