全国高校野球選手権大会の甲子園練習が行われ、今大会注目の左腕たちが続々と聖地のマウンドの感触を確かめた。創部8年目で初出場を果たした未来富山(富山)のプロ注目左腕・江藤蓮投手(3年)、6年ぶりの出場となる津田学園(三重)のエース・桑山晄太朗投手(3年)、そして昨夏の全国制覇の立役者、京都国際(京都)のエース・西村一毅投手(3年)。三者三様の思いを胸に、それぞれの夏が始まる。
未来富山・江藤蓮投手「ストレートで強気に押していく」
プロ注目の最速145キロ左腕、未来富山の江藤蓮投手が、初めて甲子園の土を踏んだ。「とても投げやすい」と、マウンドの硬さなどを確かめながら十数球を投げ込み、好感触だった。「慣れるために変化球を多めにした」というが、本番では「自分の武器であるストレートで強気で押していって、自分のピッチングをして、しっかりアピールしていきたい」と、自慢の速球での真っ向勝負を宣言した。
全校生徒25人中23人が野球部員という異色の通信制高校。野球に集中できる環境を求めて故郷の長野を離れた大黒柱は、「自分がチームを引っ張る気持ち。期待に応えるために甲子園で結果を残して恩返ししたい」と、創部初の聖地での勝利を力強く誓った。
津田学園・桑山晄太朗投手「勝って、何度も校歌を歌いたい」
三重大会を31回2/3を1失点と圧巻の投球で6年ぶりの頂点に導いた最速149キロ左腕、津田学園の桑山晄太朗投手も、初めての聖地に足を踏み入れた。「初めてグラウンドに立って、広いなと。目標にしていた舞台なので、ここで試合ができることが楽しみ」と、その表情は喜びにあふれていた。
マウンドから投球練習を行い、感触を確かめたエースは、「球速や記録よりも、チームの勝利につながるピッチングをしたい」と冷静に意気込む。春夏合わせて過去5度の甲子園出場で、2回戦進出が最高のチームの歴史を塗り替えるため、「甲子園の舞台で支えてくれた人に恩返しがしたい。勝って、何度も校歌を歌いたい」と、聖地での校歌斉唱を誓った。
京都国際・西村一毅投手、連覇へリラックスムード
大会連覇がかかる京都国際のエース左腕・西村一毅投手は、落ち着いた様子で甲子園練習を終えた。昨夏の優勝投手として、誰よりも聖地のマウンドを知る男は、感触を確かめるように投げ込み、順調な調整ぶりをうかがわせた。
全国制覇以降、注目度が上がり取材される機会も増えたが、「去年は全然しゃべれなかった。いろいろな動画を見て勉強しています」と、インタビューでもレベルアップしたことを明かし、リラックスした表情を見せた。
今年の高校生の左腕投手でいずれもトップクラスと評価される投手。西村選手と桑山選手は大学進学を表明しており、江藤投手はプロ志望の可能性が高いと見られる。他にも健大高崎でトミー・ジョン手術から復帰を遂げた佐藤龍月投手、センバツ優勝横浜のエース・奥村頼人投手もおり、今年の甲子園は左腕の華の共演となりそうだ。
江藤蓮投手 プロフィール
- 氏名:江藤 蓮(えとう れん)
- 所属:未来富山高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:180cm・87kg
- 主な特徴や実績:最速145キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の富山大会決勝で155球を投げ7失点完投、打っても高校通算9号ソロを放ち、チームを創部初の甲子園出場に導く。DeNAなど7球団のスカウトが視察。高校日本代表候補。
桑山晄太朗投手 プロフィール
- 氏名:桑山 晄太朗(くわやま こうたろう)
- 所属:津田学園高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:最速149キロの本格派左腕。2025年夏の三重大会では5試合に登板し、31回2/3を1失点と圧巻の投球でチームを6年ぶりの甲子園出場に導いた。準決勝では菰野のエース・栄田人逢投手と投げ合い、14奪三振で完投勝利。
西村一毅投手 プロフィール
- 氏名:西村 一毅(にしむら かずき)
- 所属:京都国際高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:昨夏の甲子園優勝投手。2025年夏の京都大会4回戦で、春の府王者・京都共栄学園相手に延長10回を投げ抜き、毎回の13奪三振、2失点(自責0)の快投で勝利に貢献。プロ9球団が視察。決め球のチェンジアップに加え、力強いストレートも武器。







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