全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会で、14年ぶりに夏の甲子園出場を果たした東洋大姫路(兵庫)は、大会4日目の第2試合で済美(愛媛)と対戦することが決まった。さらに、勝ち上がれば智弁和歌山や花巻東といった強豪と対戦する可能性のある激戦区に入った。チームにとっては厳しい戦いが予想されるが、今春のセンバツで右肘のじん帯を損傷したプロ注目右腕・阪下漣投手(3年)が、聖地での復活登板へ向けて準備を進めている。
岡田監督「阪下は昨日シートで投げた」甲子園での復帰を示唆
今春のセンバツ1回戦で右肘を負傷し、戦線を離脱していたエース・阪下漣投手。兵庫大会では背番号10でベンチ入りしたものの、登板機会はなかった。しかし、履正社を率いて2019年夏に全国制覇を成し遂げた岡田龍生監督は、「阪下は昨日シートで投げた。甲子園期間中に準備ができれば登板はある」と、聖地でのエース復活を示唆した。
エース不在の間、チームを支えてきたのは背番号1を背負う木下鷹大投手(3年)だ。木下投手を中心に守り勝つ野球で、兵庫大会の秋春夏3連覇という偉業を成し遂げた。その木下投手も「阪下がいるとチームが活気づく。自分が阪下を甲子園に連れていく気持ちで投げ抜いて、絶対に甲子園に行きたい」と、兵庫大会を勝ち上がった。その舞台は整い、盟友の復活を心待ちにしている。
初戦から好カード、待ち受けるは“死のゾーン”
初戦の相手は、2004年センバツで初出場初優勝を果たした済美。さらに、勝ち進めばセンバツ準優勝の智弁和歌山と花巻東の勝者と対戦することになる。抽選結果に、渡邊拓雲主将(3年)も、済美の主将と「どうしよう」と顔を見合わせたという。
しかし、百戦錬磨の岡田監督は「下馬評通りかといったら高校野球はそうじゃないですから」と話す。「ここに来るまでが大変だから。きっちり守って無駄な失点を与えない野球をしたい」と、守り勝つ野球で激戦区を勝ち抜く構えだ。
基本的には木下投手の右腕にかかっているが、ここぞという場面で阪下投手の登板となれば、チームに勢いがつくことだろう。しかし、やはり心配は故障の状態であり、まだこれから先がある選手で、この夏に無理をしてほしくないという思いは強い。
阪下漣投手 プロフィール
- 氏名:阪下 漣(さかした れん)
- 所属:東洋大姫路高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:プロ注目の最速147キロ右腕。今春のセンバツ1回戦で右肘じん帯を損傷したが、夏の甲子園での復帰が見込まれる。昨秋はエースとしてチームを近畿大会優勝、センバツ出場に導いた。
木下鷹大投手 プロフィール
- 氏名:木下 鷹大(きのした ようた)
- 所属:東洋大姫路高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速147キロ右腕。2025年夏の兵庫大会決勝で報徳学園相手に完投勝利。春の近畿大会でもエースとしてチームを優勝に導いた。U18日本代表候補。




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