阪神が、今秋のドラフト会議での上位候補として青山学院大学の小田康一郎内野手(21)をリストアップしていることが分かった。左打ちの強打者で、今春の東都大学リーグでは本塁打と打点の二冠王に輝き、7月の日米大学野球選手権でも一塁手として活躍を見せた。2027年からのセ・リーグDH制導入も追い風となり、評価がさらに高まっている。
日米大学野球で大会1号、大舞台で輝く吉田正尚2世
大舞台になればなるほど、その打棒は輝きを増す。7月8日に行われた日米大学野球選手権の開幕戦。5回の先頭打者として打席に立った小田康一郎選手は、相手左腕の変化球を捉え、エスコンフィールド北海道の右翼席へ大会第1号となるアーチをかけた。この試合で3安打を放つと、大会を通じても打率.348、1本塁打、3打点と好成績をマーク。6月の全日本大学野球選手権でも逆方向のレフトへ本塁打を放つなど、その勝負強さにプロも注目をしていた。
173cm85kgと上背はないが、力感のないフォームから広角に長打を飛ばすスタイルは、大学の先輩でレッドソックスで活躍する吉田正尚外野手を彷彿とさせる。今春の東都大学リーグでは、レベルの高い投手陣を相手に3本塁打、11打点を記録し二冠王に輝くなど、その打撃は大学球界でトップクラスの実績を誇る。
阪神球団関係者「上位、もしくは1位で名前が消えてもおかしくない」
この小田選手について、阪神も高く評価している。球団関係者は「大学球界の野手で打撃は間違いなくトップクラス。ドラフトでは上位、もしくは1位で名前が消えてもおかしくない」と話す。
さらに、2027年からのセ・リーグDH制導入決定が、小田選手の評価を一層高めている。本職は一塁手で打撃を最大の武器とする小田選手にとって、ポジションをどこに想定するかが、特にセ・リーグの各球団の思案のしどころだったが、DH制導入により出場機会を増やす可能性は非常に高くなった。阪神は今季、佐藤輝明内野手が31本塁打と気を吐くが、それに次ぐ大山悠輔内野手は6本塁打で、佐藤選手のメジャー移籍の可能性もあることから、強打の選手の獲得は、来年度以降のチームにとって大きな補強ポイントとなる。
チームではサードやセカンドを守れる創価大の立石正広選手を評価しているが、立石選手は他球団も評価が高くドラフト会議では1位指名競合が必至であり、スラッガーの獲得を目指すのであれば、小田選手、小島大河選手(明治大)、松下歩叶選手(法政大)といった、侍ジャパン大学代表で活躍した選手をリストアップしていくことになるだろう。
今年のドラフト会議では、特にセ・リーグのスラッガー獲得の動きに注目があつまりそうだ。
小田康一郎選手 プロフィール
- 氏名:小田 康一郎(おだ こういちろう)
- 生年月日:2003年8月15日
- 出身地:東京都八王子市
- 経歴:八王子リトル(5歳~) – 八王子シニア(四谷中) – 中京学院大中京(現・中京) – 青山学院大学(4年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:173cm・85kg
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:今秋ドラフト上位候補の左の強打者。2025年東都大学野球春季リーグで本塁打、打点の二冠王。日米大学野球選手権では大会第1号本塁打を放つ。大学の先輩であるレッドソックス・吉田正尚になぞらえられる。中京学院大中京では1年夏に甲子園4強。青学大では1年春からリーグ戦に出場。


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