全国高校野球選手権大会は準々決勝が行われ、昨夏王者の京都国際(京都)が山梨学院(山梨)に4-11で敗れ、史上7校目となる夏の甲子園連覇はならなかった。昨夏の優勝投手、エース左腕の西村一毅投手(3年)が6回9失点と打ち込まれた。試合後、西村投手は大学進学、4番の清水詩太内野手(3年)はプロ志望届を提出する意向をそれぞれ明言した。
エース西村投手、涙なき敗戦「やり切れた」大学で4年後のプロ目指す
「打たれて申し訳ないけど、やり切れた」。試合後、西村一毅投手の目に涙はなかった。昨夏の甲子園では24イニングを自責点0で優勝投手となった左腕が、この日は山梨学院の強力打線の前に、2回に同点本塁打を浴びると、連打と味方のエラーも絡んで一挙5失点。6回10安打9失点(自責5)と、聖地で初めてマウンドを譲った。「コースに投げきっても、それを振り切られて自分の力のなさを感じた。球が通用しなかった」。
1年時には故障もあり、一度は退部も考えた。その時、「じゃあ俺も一緒にやめる」と引き留めてくれた親友で、今大会は練習補助員として帯同した出村一真選手の存在があった。「必死に引き留めてくれた仲間と最後まで一緒に戦えた。打たれたけど気持ちは切らさなかった。そこは成長」と胸を張った。
試合後、今後の進路については、かねてからの方針通り大学に進学する。「進学して自分に足りないものを埋めて、点を取られない投手になる。そしてプロを目指す」と、大学で4年間、心技体を磨き、プロの世界へ挑戦する意向を明言した。
昨夏に比べると今夏は絶対的なものが見られなかった。昨年はストレートのキレがあり、高校生では打てないというスライダーで面白いように三振を奪っていたが、今年もかけてはなかなか結果も出せず、試行錯誤をしながら投球を作り上げていた。しかし、遅い球やチェンジアップなど、引き出しは増えたと思う。大学ではやはりストレートの強さを手に入れ、そこからスライダー、チェンジアップを磨いてゆきたい。
4番・清水内野手は「どんな形でもプロに」
4番としてチームを牽引してきた清水詩太選手も、悔しい夏の終わりとなった。初回に三塁ゴロの間に先制点を叩き出したが、この日は無安打。2回の守備では、自らの悪送球が相手の勝ち越しに繋がってしまった。「日頃の甘さが出た。悪い流れをつくってしまい申し訳ない」と、唇を噛んだ。
木製バットを使用した今大会は3試合で1安打と、本来の力を発揮することはできなかったが、その視線はすでに次のステージへと向いている。「次のステージでも最後までやりきる。どんな形でもプロに行きたい」。試合後、プロ志望届を提出する意向を力強く語った。
昨年夏もサードのレギュラーとして夏の甲子園を経験し、今年は4番としてチームを8強に導いた。京都国際からは昨年のドラフト会議で澤田遥斗選手が埼玉西武の育成ドラフト5位で、2023年には浜田泰希内野手(北海道日本ハム育成ドラフト1位)、杉原望来投手(広島育成ドラフト3位)、長水啓眞投手(福岡ソフトバンク育成ドラフト8位)と3人が育成ドラフトで指名をされている。
育成ドラフトでも積極的にプロ入りをしていく高校であり、清水選手も育成ドラフトでの指名が有力ではないかと思う。指名に注目したい。
西村一毅投手 プロフィール
- 氏名:西村 一毅(にしむら いっき)
- 生年月日:2007年7月7日
- 出身地:滋賀県甲賀市
- 経歴:水口少年野球団(小2) – 近江ボーイズ(水口中) – 京都国際高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:177cm・70kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:昨夏の甲子園優勝投手。最速146キロの左腕。2025年夏の甲子園準々決勝で敗退後、大学進学を表明。4年後のプロ入りを目指す。U-18日本代表候補。
清水詩太選手 プロフィール
- 氏名:清水 詩太(しみず うた)
- 所属:京都国際高校(3年)
- ポジション:内野手
- 投打:調査中
- 主な特徴や実績:京都国際の4番打者。2025年夏の甲子園準々決勝で敗退後、プロ志望届の提出を明言。
















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